天井裏にも壁が必要な場合もある

LGS壁の仕様選定とコストの関係について、前回は少し極端でしたが例を挙げて考えてみました。

趣味でやっている場合は別ですけど、仕事であればお金のことを意識しないで済ますのは難しいです。

これは建物を建てる仕事でも同じで、すぐに億の単位になってしまう建築の世界では、余計に意識する必要があると思います。

まあ金額が大きい分だけ細かい金額がルーズになりがち、という現実もある訳ですけど、今はそんな悠長なことは言えない時代です。

頭を使って工夫することによってコストが下がっていく、というのがプロの仕事で、そこに価値がある訳です。

…と、当サイトは建物の納まりについて解説するのがメインですから、お金についての話はそろそろ終わりにしましょう。

今までの説明を読んで頂いた方なら、色々な性能を持ったLGS壁があることをもう知っていると思います。

そうした知識を得た次のステップとして、これから説明していきたいのが「LGSをどこまで建てるか」です。

このあたりを考えていくと、やっぱり前回書いたように、全部の壁を同じ仕様にしたくなるかも知れませんが…

まずはLGS下地の原則を考えてみることにしましょう。



■LGS壁の仕様と壁の範囲


今回取り上げる「LGSをどこまで建てるか」というのは、LGS壁の高さ方向についての話になります。

建物を建てる側ではなく、建物を利用している方であれば「LGS壁をどこまで施工するか」と言われてもあまりピンと来ないかも知れません。

しかしこの考え方はLGS壁の仕様と密接な関係にあります。

これを掴んでおかないままLGS壁の仕様だけ覚えても全く意味がない、というくらいに重要な要素です。

…と言っても、それほど難しい話ではないですから、まずは簡単に概要を説明してみましょう。

LGS壁には様々な種類がありますが、その仕様によって「どこまで壁があれば良いか」が変わってくるんです。

この「どこまで」というのは、具体的に言えば天井までなのか、それとも上の階の床までなのか、です。

簡単な図はもう少し後にして、まずは考え方から説明します。



■天井裏というスペース


建物を建てている状況を見ない限り、天井と上階の床との間にある「天井裏」というスペースは意識しないものです。

だから最初はなかなかイメージしにくいかも知れませんが、LGS壁を考える際には非常に重要なスペースなので、しっかり覚えてしまいましょう。

単なる部屋と部屋を区切る為の間仕切り壁ならば、天井から下に壁があれば求められる壁としての性能を満たすことが出来ます。

天井裏を覗いてみると壁はなくて、部屋は別だけど天井裏ははつながっている、という状態ですね。

天井裏でつながっていたとしても、そうした壁の目的は部屋と部屋を区分することですから、それで充分に役目を果たしているんです。

しかし耐火壁や遮音壁などの性能を求められるLGS壁の場合、天井裏にもきちんと同じ仕様の壁が存在している必要があります。

なぜ天井裏にも壁が必要になるのかは、建物に火災が発生したことを想像すると何となく分かってくると思います。

耐火壁というのは、火災が発生した際に避難する時間が確保出来るように、一定の時間火を通さないような性能を持たせた壁を指します。

そんな耐火壁が天井よりも下で終わっている場合、火災時には天井裏を通って火が建物全体にまわってしまうことになります。

これでは耐火壁の意味がなくなってしまいますから、当然耐火壁であれば天井裏であっても壁が必要になってきます。

遮音性能についても同じで、せっかく天井から下で高性能の壁を施工しても、天井裏がつながっていれば音はどうしても伝わってしまいます。

それでは遮音壁とは呼べないので、同じように天井裏にもしっかりとした遮音壁が必要になってくる訳です。

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