LGS壁の仕様と高さの考え方

建物を構成する壁の中には色々な性能が必要になってきて、そうした性能によって、LGS壁がどの高さまで必要になるのかが変わってきます。


・天井裏まで、つまり上階の床コンクリート下までの範囲に必要なLGS壁

・天井裏までは必要なくて天井から下だけに必要なLGS壁


どこまでの高さにLGS壁が必要になるのかは、大きくは上記のような考え方に分かれます。
そして、LGSには各規格によって高さ制限があるため、どこまでLGSを施工するのかによってLGSの規格が変わる、つまり壁の厚さが変わる可能性があります。

仕様については少し後で詳しく説明をしていきますが、微妙に壁が薄くて済むというのはコスト的に結構大きなポイントになってきます。
例えば自宅のプランを考える際には、洗面所などで洗濯機が入るかどうか、洗面台はいくつのサイズを入れるかなどを非常に細かく検討していくことになります。

洗面台などは90cm・120cmなどの規格寸法がある為、それを意識しながら無駄のないスペースの使い方をしていく訳です。
それに失敗して10cm程度の隙間が空いてしまうと、そこには何も入れることが出来ないばかりか、掃除もしにくく埃がたまってしまうことに。

そうなってしまわないように、出来るだけ無駄なスペースを排除していく、というような地道な作業をプランニングで調整していくことになります。
壁と壁の間でどの程度の寸法を見込んでおくのか、といった細かい作業をする際に、壁が必要以上に厚い状態だと色々影響が出てしまう、と言うことです。

そうした細かい条件などを色々と考えていくと、法規的にもしくは用途的に必要のない部分については、最低限の性能を満たせる壁で良いのではないか。
そうやって少しでも壁を薄くしていき、出来る限り居室のスペースを確保出来ないか、という考え方で建物を設計していく訳です。

それを考えると、やはりLGS壁がどこまで施工されるのかという要素は非常に重要になってくることになりますよね。


■天井裏という考え方

もちろん建物として求められている必要な性能を満たすことが絶対条件なので、なにが何でも天井までのLGS壁に変えていく、という訳にはいきません。
例えば耐火性能が必要なLGS壁であれば、耐火壁を選定していくのは当然のことですけど、不必要な部分にまで耐火壁を選定する必要ない、という考え方です。

こうした話は具体的な例を出した方が分かりやすいと思うので、ここではある建物の平面図と断面図を見ながら進めていくことにしましょう。
まずはシンプルにこんな平面図があったとします。

サンプル平面図

上記平面図の中で赤いラインとして表現されているのが防火区画、その他特に色がついていない壁が一般の間仕切壁と考えて話を進めますね。

まずは廊下と事務室、廊下と倉庫の間の壁が防火区画になりますので、そこは天井裏にもLGS壁が必要ということになります。
それ以外の壁、例えば倉庫と事務室との間にある壁であれば、天井から下だけ壁があればOK、という壁の区分がまずは出来上がります。

そうした考え方で必要なLGS壁の仕様を選定して、なおかつどこまでLGSを施工するのかを計画していくことになります。
これは平面図を見ただけでは少し分かりにくいのですが、壁の仕様を区分していくことによる影響は確実に出てきます。

断面図で見るとこうなる

上記の断面図を見ればLGS壁の違いが直観的に理解できるかも知れません。


■階高と天井高

耐火性能を持った壁を成り立たせるために天井裏まで壁が必要ということは、当然のことですが下地としてLGSを天井裏まで伸ばす必要があります。
つまり、コンクリート床からLGSを立てて、上階のコンクリート床下までLGSを建てていく必要ということ。

そうしないと天井裏に石膏ボードを張っていくことが出来ないので、下地が天井裏にも必要になってくるのは当然のことだと言えるでしょう。
今回のサンプルプランで考えてみると、階高である4500から床の厚みを引いた寸法、約4300程度の高さでLGS壁が必要ということになります。

一方で天井までのLGS壁は、当然各部屋の天井までを施工しておけば壁としての役割を果たすことが出来る為、高さとしてはそれほど高くはありません。
今回の例では天井高を2700としているので、LGS壁の高さも2700程度でOKということになります。

耐火性能が必要になる壁のLGS高さが4300程度、そして一般的な壁のLGS高さが2700程度になるので、結構な差になりますよね。

こうして区分をしていくと、同じようなLGS壁であってもある程度の高さが必要な部分と、そこまで必要がない部分に分類されるということが分かります。

高さが必要だと何が問題なのか。

それは、LGSの部材ごとに定められている高さ制限を見れば、なんとなく分かってくると思います。
ちょっと長くなってしまったので、LGSの高さ制限による壁厚さの違いについては次回に続くことにします。

関連記事

  1. 建具廻りの納まり

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS仕様を先に決めておく理由

    前回はLGS壁の下地であるLGSの規格がどのようになっているのか、そし…

  2. コストを意識することが重要に

    壁-LGS+石膏ボード

    仕様の選択とコストの関係

    このカテゴリで今まで説明をしてきた中で、まずはLGS壁には色々な性能を…

  3. 石膏ボードには幾つか厚みがある

    壁-LGS+石膏ボード

    石膏ボードの厚みと大きさ

    色々な条件によってLGS壁の下地であるLGSサイズが決まること、そして…

  4. 知識の有無が差を生む

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS壁の特徴は何か

    このカテゴリで取り上げるLGS壁について説明をする前段階の話として、ま…

  5. まずは人命が最優先

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS壁に求められる性能-2

    建物を快適に利用するため、部屋によっては周囲の部屋から音が聞こえない状…

  6. 天井裏は設備の世界

    壁-LGS+石膏ボード

    建築だけで図面を検討するリスク

    LGS壁の下地であるLGSをどこまで施工するのかを計画する際には、施工…

スポンサードリンク




おすすめ記事

  1. カーペットの素材感
  2. それぞれの部署で調整が必要に
  3. FL=con天の場合
  4. アスファルト防水の納まり図
  5. 施工者はコストも重視
  6. 断面図で見るとこうなる
  7. 大谷資料館
  8. GL工法のイメージ
  9. 100角ネット貼りのタイル
  10. スイッチのイメージ
  1. 天井裏まで壁があるかどうか

    壁-LGS+石膏ボード

    天井裏にも壁が必要な場合もある
  2. 選択肢が多いという強み

    設計と施工と

    納まりの正解と選択肢の数
  3. コンクリート化粧打放し仕上

    壁-下地による区分

    壁下地=仕上げの場合もある
  4. コンクリートは解体が大変

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS壁の手軽さについて考える
  5. 建具廻りの納まり

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS仕様を先に決めておく理由
PAGE TOP