建築だけで図面を検討するリスク


LGSをどこまで施工するのかを計画する際には、施工しようとしているLGS壁がどんな性能なのかが重要になってきます。

上階の床コンクリートまで壁が必要になるのか、それとも天井から下までの壁で良いのか。

これらの区分をすることによって、必要以上に壁を施工することがなくなり、コストも有利になります。

しかし、施工工程について考えた時に、LGSの施工を2回に分けたくない場合も結構あるものです。

そうした場合に限っては、LGSを全部上階の床コンクリートまで伸ばしておく、というやり方もあります。

もちろん建物の規模によって、どんな手順で施工を進めていくのが効率的なのかは大きく違ってきます。

天井から下でOKの壁が僅かであれば、それだけの為に後工程を残すよりも先にやってしまおう、という考え方も出来るということです。

このあたりの話は前回取り上げましたが、これはあくまでも建築だけの都合で考えた場合の話です。

もう少し別の視点でものを考えた場合、あまり簡単にLGS壁を上階スラブまで伸ばすことが難しい、という話をしてみます。



■建物は建築だけではない

工程がシンプルになるからという理由でLGSを上階床まで施工すると、建築工事だけを考えると効率化が図れる場合があります。

しかし建物を構成するのは建築工事だけではありません。

電気・空調・衛生工事という視点で考えた場合、単純にLGSを天井裏まで伸ばしてしまうと困ることが結構あります。

建築工事では梁を隠すなどの用途と考えられ、天井裏というのは単なるデッドスペースというイメージがありますが、実際には全然違います。

天井裏スペースというのは、各設備工事の為にあるスペースであって、それを建築工事の都合で小さくしたり壁を伸ばしたりは出来ないんです。

建築工事というのは、柱や梁や床のコンクリート、壁下地であるLGS、石膏ボード、その上の仕上げ材などを指します。

建物としては柱や壁などがあれば、何となく出来上がっているような気がしてしまいますが…

建物が建物としてきちんと機能する為には、建築工事だけではなく、電気工事や空調工事、衛生工事が絶対に必要なんです。

そうした工事を円滑に進める為には、天井裏スペースを出来るだけ広く取っておくことが重要になってきます。



■建築だけでLGSの範囲を変えると…

例えば建築工事の施工手順だけを考えて、天井下の壁でも良い部分を天井裏まで施工した場合。

天井裏に空調ダクトを通す計画になっている場合もあって、そうなると壁とダクトが干渉しないように調整が必要になります。

そうなると、空調ダクトの都合で壁位置を変更する訳にはいかないので、ほとんどの場合は空調ダクトの位置を移動する事になります。

そうすると天井裏にあるケーブルラックが入らなくなって、それも移動して…みたいな作業がどんどん発生することがあるんです。

最近の建物は特に階高が低い傾向にあるので、こうした調整は単純にスペースが足りないなどでかなり大変な作業になりがちです。

その要因となったのは、単純に建築工事の手間を少し減らしたかっただけ、みたいなおかしな状態もあり得る訳です。

そうなると、スペースを確保するために天井高さを少し下げるとか、そうした対応が現実として必要になります。

こうした設備と建築の調整については、建築現場で仕事をした事がある方であれば、非常によくある話だと感じるはず。

建築の安易な考えで設備・電気が苦労をする、というパターンは結構多いのではないかと私は思っています。

と言うことで…

LGSをどこまで施工するのかを検討する際には、LGS壁の性能だけではなく、設備や電気などの要素も検討が必要です、という話でした。

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