タイルカーペットの一般的なサイズについては、製品によって完全に統一はされていないものの、大抵は500mm×500mmの大きさになる。
前回はそんな話をしました。

なぜある程度決まったサイズになっているのかというと、まずは持ち運びやすいサイズ感である必要があることが大きな要因としてあります。
持ち運びやすい=交換しやすい、というメリットもある。

こうした施工の都合だとか、実際の使い勝手などを考慮して決められたサイズなのではないかと勝手に考えています。
大きすぎると必要な枚数は少なくなって施工は楽になるけど使い勝手は良くないし、小さすぎると運ぶのは楽になるけれど施工の手間は多くなる。

そのあたりのバランスを考えていくと、500mm×500mmというサイズ感は丁度良い寸法なのだと思います。
そして以前紹介したOAフロアの大きさとも合ってくるので、OAフロアに対してタイルカーペットをまたいで貼っていくのも楽です。

色々な数値にはきちんと意味がある、というのは建築で採用する材料や納まりを調べていくと何となく分かってきます。
時にはそうした理由など全然なくて「昔から決まってるから」みたいな場合もあったりするので、そこまで気にする必要はありませんが…

タイルカーペットについては、そのくらいの大きさが最も使い勝手が良いサイズで、それを変えるような大きな理由もない、という理由が大きいのだと思います。
まあ実際に自分の手で持ってみると、意外にも1枚ずつが重たくて、10枚とかを持つとかなり重く感じるとは思いますが。

まとめて運ぶ機会は恐らくそんなにないので問題はないのでしょう。
さて、今回はタイルカーペットの貼り方向について考えてみることにします。

■タイルカーペットの貼り方

ある部屋の床仕上材としてタイルカーペットを選定した場合、これはかなり当たり前の話ですが、余程の理由がない限りはその部屋全部に敷いていきます。
つまり500mm×500mmのタイルカーペットを、壁際から反対の壁際まで敷き詰めていくことになる訳です。

ここまではもの凄く当たり前の話ですが、実際にタイルカーペットを床に敷いていく際には「どんな貼り方をするか」が結構重要になってきます。
タイルカーペットには向きがあるので、その向きを意識してきちんと貼る方向を意識しておく必要があるんです。

タイルカーペットは正方形の製品がほとんどなので、どういう向きで敷き詰めていっても貼れなくなることはありません。
だけど向きを意識しないで施工をした場合、最終的な床の見映えが全然良くないという問題が発生する事になります。

タイルカーペットという床仕上材は、製品自体に模様があったり、模様がない場合でも毛の向きによって見え方が結構違って見えるものなんです。
それを無視して適当に貼っていったら変に見えてしまうのは当然なので、どのように見せるかを意識しながら貼る方向を決める必要があるんです。

一般的なオフィスなどでは、タイルカーペットの向きを交互に変えて貼っていく「市松貼り」が一般的です。
採用される色は目立たないグレー系が多いですけど、まあこれは「見た目がおかしくなければ」とい条件を満たせば設計者の好みによって自由。

何色を選定するかはともかくとして、タイルカーぺットの施工方法は一般的に市松貼りが多く採用されることになります。
ただ、設計者というのは「これが一般的です」と言われるデザインを好まない傾向にあるので、最近は市松貼りも少なくなりつつある気がしますが…

それでも市松貼りは、タイルカーペットで特に何も言わなければ普通は市松貼り、というくらいメジャーな施工方法になります。

■市松貼りの見え方

タイルカーペットを市松貼りにするとどのような見え方になるのかというと、大体このような状態になります。

市松貼りのイメージ

なかなか格好良い床ですよね。
上図のタイルカーペットはもともとラインがある製品ですから、市松に貼っているのが良く分かると思います。

だけど無地に見える単色のタイルカーペットであっても、パイルの方向が違っているので、やっぱり微妙に見え方は変わります。
見え方としては色が少し違って見えるような状態です。

タイルカーペットの市松貼り

上記の写真はかなり分かりにくい状態ではありますが、右側の光が当たっている部分で微妙に色が違っているのが分かるでしょうか。
タイルカーペットがメインの写真ではないので、かなり分かりにくいとは思いますが…

市松貼りの他にはどんな施工方法があるのか、という話はちょっと次回に続こうかと思います。