防水層の範囲と立上り


アスファルト防水を施工する部屋の床レベルを下げておく際に、そこに絡む梁も下げておく。

前回はそんな基本的な話を取り上げてみました。

基本的で当たり前と言われそうな話ですが、これが出来ていないと、後でどうすることも出来ない状態になります。

どうして床を下げてるのに梁を下げないの?

そんなまっとうな質問をされた場合に、恐らくきちんとした答えを返すことは出来ないと思います。

最初に部屋の範囲と梁のレベルを確認しておくだけなので、大した手間が必要な訳でもありません。

しかしその労力を惜しむと、後でその100倍くらい大変な状況が待っているので、それは避けることをお勧めします。

建築の納まりを検討する際に求められるのは、そうした当たり前の作業を丁寧にやっていくことです。

もちろんそれにプラスしてスピードも求められますが、スピードは正確さをクリアして始めて目指すことが出来るもの。

まずはたくさんの知識を自分のモノにして、丁寧な仕事をすることを心がけた方が良いと思います。

さて、少し話は逸れましたが、今回はアスファルト防水でもう一つ考えておくべき「立上り」について書いてみたいと思います。


■床だけでは不足

アスファルト防水というのは、床コンクリートを下げておき、そこにアスファルト系の防水層を施工する納まりになります。

もちろん防水層が仕上として見えてこないように、床仕上げ材を施工するだけのスペースも見込む必要があります。

……と、ここまでは今までの説明で伝えて来ましたが、アスファルト防水の納まりはこれだけでは不足なんです。

アスファルト防水を施工する部屋には、床だけではなく壁にもアスファルト防水層を施工する必要があるんです。

「水を下階に漏らさない」という目的がある以上、壁にも防水が必要になるのは当然のことかも知れません。

分かりやすいイメージで言うと「コップ」みたいな感じです。

いくら底がガラスで出来ていて水を通さないと言っても、底だけがガラスでは水を漏らさない役目を果たすことは出来ません。

その周囲にもガラスがあるから、水を注いでも漏れない状態になる訳です。

 

■防水層の立上り

アスファルト防水を施工する部屋も、考え方はガラスで出来たコップと似たようなものです。

いくら床にアスファルト防水を施工して、防水層が下階に水を漏らさないようにしていると言っても……

立上りがなにもない状態であれば、水はどんどん横に漏れていって、防水層のない部分から下階に漏れることになります。

以前にも書きましたが、水は必ず高いところから低いところに流れていくし、隙間があれば漏れていくものです。

だから、コップのように狭い空間ではありませんが、床と壁の防水層は連続した状態になっている必要があるんです。

イメージとしては、防水層がこんな状態で連続している感じ。

防水層の簡易イメージ

部屋の足元をぐるりと防水層で囲うことによって、下階に水を漏らさないという目的を達成する事が出来る訳です。

これはアスファルト防水の納まりを考える上で、非常に重要な考え方なので、ぜひ覚えておいて頂きたいと思います。

 

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