建築と設備の関係について

建築の納まりを検討する際には、単純に建築の要素だけではなく、設備関連の納まりも考慮する必要があります。
そうした総合的な検討をしていかないと、建築だけが綺麗に納まったけれど、設備関連は全然綺麗に見えないとか。

そうした非常に残念な状況になってしまうので、設備は専門外とか言わずに勉強をしていかないといけません。
とは言っても、仕事で建築や各設備を含めた検討を繰り返していけば、もう自然と覚えてしまうことになるとは思いますが…

こうした設備関連の重要性というのは、普段自分の家でどのような生活をしているかを考えれば、もう当たり前の話だよな…と納得する話だと思います。
朝起きて顔を洗ったり歯磨きをする際には水やお湯を使いますし、朝ご飯を食べる為にオーブントースターを使うこともあるでしょう。

 

仕事から帰ってきたら照明を付けた部屋で過ごすはずだし、お風呂に入った後はくつろぎながらテレビを見るかも知れません。
そしてその室内は夏であればクーラーが効いていて、冬であれば暖房がかかっている状態になっている、というのが理想です。

電気工事がないとこうはならない

そうした日常的な生活の中で、前回紹介したような電気・空調・衛生設備は切っても切れないような密接な関係にあるんです。
設備がきちんと用意されていない家というのは、何も便利な部分がない単なる箱という状態で、ただ雨風をしのぐことしか出来ません。

大昔であればそれでも家と呼んだかも知れませんが、今ではそうした不便な状態では家とは呼べないのではないかと。
そうした重要な要素を意識しないで建築の納まりを検討しても、それはどうしても片手落ちと言うしかない状況になってしまうと思います。

ただ、こうした理想的な納まり検討のあり方について書くときに、結構無視できないような大きな問題があります。
今回はそのあたりのついても少し触れてみたいと思います。


■建築と設備の関係

建築の納まりを検討する際には、それぞれの設備もしっかりと納まっているかを検討しておかないと、最終的に綺麗な建物は完成しません。
あとから設備的な要素を検討したとしても、それは単純に設備が納まるように後から考えただけで、綺麗に納まっているとは限りません。

極端な例で言えば、後からここに水が出る蛇口が欲しかったということで、そこまでの配管は露出になっているとか。
そうした状態ではせっかくの納まり検討が勿体ないですよね。

だから建築・設備のどちらも同時進行で検討していく、というのが建物の納まりを考える上で理想的、ということになります。
ただ、建築の納まりを検討するのはやはり建築のプロになりますが、建築のプロがそのまま設備のプロという訳ではないんですよね。

もちろんそれぞれの設備にはそれぞれ専門のプロがいて、建築の片手間に設備をやっている訳ではありません。
それぞれの設備はそんなに片手間に出来るほど単純ではないですから。

これが問題を複雑にします。
それぞれ専門的な知識を持っている分野の納まりを、それぞれの人が担当していく、ということになる訳です。

そうすると、現実的にどのような状況が考えられるかというと…
建築の納まりを考える際に、設備のことを気にかけると検討はどんどん複雑になっていくので、「設備の事は考えない!」ということになりがちです。

もちろんその逆パターンもあります。
設備側は設備側で建築の納まりがよく分からない場合が多く、結果的に建築を軽視するような形で納まり検討が進みがち。

もしくは非常に古い建築の情報で検討を進めてしまい、結局検討が無駄になってしまうというような残念なことになってしまいがちなんです。
こうした残念な状況になることは、結構高めの確率で考えられます。


■地道に調整していくしかない

建築工事と設備工事との間の情報交換が上手くいかず、それぞれが別々の検討をすることになり、結果として納まりは上手くいかなかった…
そうした情けない状況にならないようにするには、いったいどのような対応をしていけば良いのでしょうか。

とは言ったものの、そこに裏技的な素晴らしい方法などなくて、ただひたすらシンプルだけど簡単ではない道があるだけです。
それは何かというと、それぞれのプロが情報を持ち寄って、細かい調整を延々とやっていくこと。

こうした地道な調整によってしか、建築の中に美しく設備を入れ込んでいくことは出来ないのではないかと思います。
もちろんスペース的に余裕がある建物や、それほど設備が複雑ではない建物であれば、そうした調整はそれほど困難ではないですが…

今時の建物であれば設備的な要素が複雑ではないはずもなく、コストの事を考えるとスペースに余裕がある建物も恐らくほとんどないでしょう。
そうしたことを考えると、どんな建物であっても建築と設備の納まり調整はどうしても発生してくる、ということになります。

なかなか大変な話ですが、それをやらないで建築の納まりだけを考えても、結局美しい建物は出来上がらないんですよね。

今は3DCADで設備の取合いを検討する、みたいなこともやっているので、少しは調整が楽になるかも知れませんが…
それでも建築の納まり検討をする側が、設備関連の内容を気にして調整していく必要があることに変わりはありません。

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