LGS下地のピッチについて

LGS下地に石膏ボードを張っていく壁の仕様によって、床から天井まで壁があればOKという納まりのパターンもあります。
一方で、耐火性能とか遮音性能などが求められる場合には、天井面から上階の床コンクリートまでも壁が存在している必要がある。

そうしないと、万が一火事が発生した際に、天井裏が全部繋がっていて建物全体が燃えてしまうことになって非常に危険です。
建物を利用する方が安全に過ごせるような決まりを作るのは国の役目ということで、きちんと一定の範囲内に耐火壁を設けるように法律で決められています。

建築基準法で指定されている耐火壁は、きちんと上階の床コンクリートまで到達している必要があって、さらにコンクリートと石膏ボードとの間にはきちんと耐火処理を施しておくことも求められます。
こうすることで、万が一の火災にも対応出来る建物にしている訳です。

こうした法的な制約があったり、あるいはお客さんからの要望や部屋の種類などによって必要な壁の性能は変わってくるので、そうした条件を事前に確認しておくことが大事です。
その確認がないまま適当に検討が進んでいくと、もう変更することが出来ない状態になってしまう可能性があるので勿体ないことになりかねません。

本当は天井までのLGS壁でも良かったのに、今さら変えられないからそのまま上階床コンクリートまでのLGS壁にしておくとか。
そうなると、LGSのサイズは65型でも大丈夫だったのに、結果としては100型を採用することになってコストが高くついたとか。

そうしたことになるので、まずはそれぞれのLGS+石膏ボード壁に求められる性能についての確認が重要になってきます。
コストを考慮すると、最低限の性能をもった壁を用意すればそれでOKということになる訳ですけど、そのラインを見極めるのも結構難しいものなんです。

メリットとデメリットのバランスは難しい…

そうした判断は設計者の仕事なので、まずは建築基準法が定める壁の性能を満たす、という前提条件をクリアする必要があります。
そして次のステップとして、法的な制約はないけれど、部屋の用途として必要になると思われる壁の性能も満たしておく。

こうした調整をするためには、建築基準法についての知識と、お客さんが建物に対してどんな要望を持っているかを聞き出す能力が求められます。
お客さんは決して建築のプロという訳ではないので、そこは設計者がプロとしてきちんと意見を引き出して、その要望に見合う壁の仕様を決めていくことになります。


■建築工事と設備工事の関係

LGS壁の性能によって、上階床コンクリートまで必要な壁なのか、それとも天井まででOKな壁なのかは変わってきます。
コストを意識して必要最小限を考えるのであれば、それぞれの壁ごとに天井までなのか上階スラブまでなのかを設定していく方が良いです。

しかし場合によっては施工性を考えて、最初に全部のLGS下地を上階床コンクリート下まで建ててしまう、という方針もやり方としてはアリです。
建物をつくっていくやり方として、正解は絶対にひとつしかない訳でもないんですよね。

多少材料のコストがアップしますが、天井下地を組んでから再度LGSを天井下地に合わせて施工するというステップがなくなるので、そこは結構なメリットになります。
しかしそのメリットは建築工事のことだけを考えた場合であって、設備のことを考えるとベストの選択とは言い切れない場合も多いです。

天井裏には設備配管や空調ダクトなどがたくさん通っているので、LGSを全部天井裏にも伸ばしていくとなると、設備のためのスペースが狭くなってしまうんです。
もちろんダクト等は最終的に天井仕上材によってみえなくなってしまう要素なので、色々と調整をすれば最終的には綺麗に納まることにはなります。

だけどその複雑な検討が必要になる直接の原因が「面倒だからLGSを最初に全部床下まで建てよう」だったとしたら…
それはちょっと無駄が多いというか、もっと他に良い施工方針があったのではないかと思ってしまいますよね。

ただ、建築工事を効率良くした結果として設備関連が大変になる、という「しわ寄せ」みたいな話は現実としてあったりします。
建築工事と設備工事を比べるというのは、もう全然ジャンルが違うので比較しようがないというのが正直なところですが…

請け負いの形態を考えると、どうしても建築工事が強い傾向にあるんです。
建物をつくっていく工事を請け負う形態としては、ゼネコンがまずは工事一式を請け負って、そこから電気設備・空調設備・衛生設備などに分けて発注するという形態が多いです。

これはつまり、各種設備工事を請け負うことになるサブコンは、建築工事を請け負ったゼネコンから工事を受注するということになっていることを意味します。
お金を支払う側が強いのは小売業でも建築業界でも同じで、そうやって考えていくと建築工事を請け負っているゼネコンの方が立場が上になることが多いんです。

もちろんゼネコンが工事全体の進捗や安全などについて責任を負っている訳ですから、立場が強いのはある意味当然ではあるんです。
ただ、必要以上に立場を強調する人も結構いるから困るというか。

…と、少し話が違う方向に進んでしまいました。
LGS壁が高さ的にどこまで必要なのかという話は、天井裏のスペースに大きな影響を与えるので、そこは建築と設備が協力して方針を決めた方が良い結果になりやすい、という話でした。

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