JBやJ&Pなどの粗面仕上

床仕上材として採用される石の表面仕上げについて、具体的にどのような表面処理の種類があるのか、という部分について前回は取り上げてみました。
石の表面処理方法は色々あって、前回の説明では研摩仕上げとして本磨きと水磨きがある、という話を取り上げただけで終わってしまいました。

表面に光沢が出るくらい磨く本磨きと、艶消し処理のように見える水磨き。
この二種類が見た目としてどのくらい違ってくるのかを写真で伝えたいと思っても、なかなか分かりやすい写真がなくて困っています。

だけど実際に見るともう全然違うのですぐに分かります。
表面がツルツルで周囲の光を反射するようであれば本磨きだし、表面が少しザラザラしていて光を反射しないようであれば水磨き、という感じです。

ただ、表面がザラザラしている処理方法は他にもあるので、今回はそれらの表面処理方法について説明をしていこうと思います。
本磨きと水磨きは「研磨仕上」という分類になりますが、石材の表面仕上げの分類は研磨仕上の他にあと3種類あります。

・粗面仕上

・叩き仕上

・割肌仕上 

読んだだけでなんとなく分かるような表面処理のような気もしつつ、今回は引き続き石材の表面仕上げについての説明を続けます。


■石の表面処理

●粗面仕上

表面を平滑にする研摩仕上げとは違い、砥石を使用しないで表面を粗く仕上る処理方法で、表面に凹凸が出来る仕上がりになるのが特徴です。
表面が凸凹することによって滑りにくくなるというメリットがあり、その防滑性能から床材で採用されることが多い仕上になっています。

 

とは言っても粗面仕上にも幾つか種類があるので、その微妙な違いをそれぞれ紹介してみると以下のような感じになります。


・ジェットバーナー仕上

石材の表面を高温で加熱して石の中に含まれる結晶粒をはじけさせ、それによって表面の凹凸を出していく表面処理をジェットバーナー仕上と呼びます。

ジェットバーナー仕上
呼び方としては少し長いので、省略してJB仕上と書かれたりします。
ジェットバーナー処理された表面を触ってみると、結構凸凹が多くてザラザラしています。


・ジェット&ポリッシュ

ジェットバーナー仕上は石材の表面を加熱処理しただけで少し粗いので、加熱処理をした状態から表面をナイロンブラシなどで磨いた表面処理をジェット&ポリッシュ仕上と呼びます。
表面を加熱した後で少し磨く訳ですから、当然ジェットバーナー仕上だけの状態よりも凸凹が少なくなり柔らかい仕上となります。

この柔らかさが良いのか、最近はJB仕上よりも多いような気がします。
これは全体で統計をとった訳ではなくて、あくまでも個人的な感触なので正確かどうかはあまり自信がないですが…

図面的な話をすると、ジェット&ポリッシュ仕上を表現する場合、JP仕上またはJ&P仕上という書き方になります。
ちなみにこれは結構恥ずかしい話ですが、私はつい最近までこのジェット&ポリッシュ仕上の存在を知りませんでした。

ある物件を担当した際に、床仕上材として石を採用する部分があり「床仕上:花崗岩t25JP」という表現がありました。
その文字を見た時すぐに、これは「JP」じゃなくて「JB」じゃないか…この図面を描いた人は図面チェックしてないな、とか思いました。

だけど実際には全然JP仕上は存在していて、むしろJB仕上よりも好まれる傾向にありました。
特に仕事に関する知識に限っては、「知らない」ということは時には恥ずかしいこともある。
この時の私は身を持ってそれを知りました、とか難しそうなことを書いてますけど、単純に恥をかいただけです。


・ウォータージェット

ジェットバーナーは火を使いますが、ウォータージェットでは高圧の水を使って石材の表面に凹凸をつけます。
火を使わないで処理するためなのか、石材の色合いがよく出るという特徴を持っています。

私個人の経験で書くと、ウォータージェット仕上はなかなか使ったことがないというのが正直なところです。
なので、残念ながらジェットバーナー処理と比べて明確にこれが良かった、というような話が出来ないんですよね…


・ショットブラスト
・サンドブラスト

石材の表面に、ショットブラストなら小さな鉄球を、サンドブラストなら細かい砂を吹き付ける仕上です。
当然のことではありますが、表面に吹き付けるものの大きければ凹凸は大きくなり、小さければ凸凹は小さくなってきます。

それによって表面の雰囲気は変わってくる訳です。
若干ショットブラストの方が表面処理としては粗くなる方向ですが、とは言ってもジェットバーナー仕上とかまでは粗くなりません。

透明なガラスのコップに砂を吹きつけて、透明なガラスを部分的につや消し状態にする手法をサンドブラストと呼びます。
吹き付ける相手がガラスなのか石なのか、というだけで原理はほぼ同じです。

観光地に行くと、こうした「ガラス加工体験工房」などでサンドブラストを楽しむことが出来ます。
さすがに石材のサンドブラストはなかなか体験出来ませんが、イメージはこれで何となく伝わるのではないかと思います。
石材の表面に文字を記入したりする際にはこの手法が使われます。

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