フローリングとその特徴-2

前回は床仕上材のひとつであるフローリングの概要と、どのような特徴を持っているのかという部分について色々と説明をしてきました。
箇条書きでまとめてしまうと以下のような特徴がある、という話でした。

○調湿性がある

○伸び縮みがある材料

○美しい素材感

フローリングの特徴には、その素材である木が持っている特徴が色濃く出ています。
自然の素材が持っている美しさと、湿気によってなかなか正確な寸法にはならないという難しさ。
だけど伸び縮みに関しては納まりの検討で対応することが出来るので、そこまで困った特徴とは言えないのではないかと思います。

そんなフローリングの特徴については、前回までの話でここまで話をしてきたので、今回はその続きからスタートしていきましょう。


■フローリングの特徴(続き)

木が持っている自然の素材感を生かしたフローリングには、天然素材が持っている特徴がそのまま出てくることになり、それが時には欠点になることもあります。
これはコインの表と裏の関係と同じく、どちらか一方だけを選ぶということは出来なくて、メリットもデメリットもセットで考えていかないといけない。

フローリングの特徴を踏まえて…

もし自分が設計している建物の床仕上材としてフローリングを採用したいと考えた場合には、その特徴をしっかりと掴んで長所を活かせる部屋で採用したいところ。
こうした適材適所を実践するためには、もっと特徴を把握しておく必要があるということで、フローリングの特徴についてもう少し考えてみましょう。

○キズやヘコミが目立つ

これも木が持っている天然素材としての特徴がそのままデメリットになっている例ですね。
樹種によってどの程度柔らかいのかは違ってきますが、全体的に木という材料は柔らかいものですから、キズやヘコミがどうしても目立ってしまいます。

例えばテーブルを引っ張った際には、テーブルの足によってフローリングには簡単に傷がついてしまいますし、重い物を落下させれば当然ヘコミも出来ます。
そしてこれが重要な要素で、一度キズやヘコミがついてしまったら、それを元の状態に戻すのは結構大変な作業になってしまいます。

傷が付きやすくてその傷を消しにくい、という特徴なんですよね。
もちろん「キズが付きにくい堅いフローリング」とかも商品としてありますが、硬質で尖ったモノに対抗出来る程の硬さがある訳ではありません。

例えば温泉施設やスポーツジムで良くあるロッカールームなどの部屋に、床仕上材として柔らかめのフローリングを採用してしまうと実際にどうなるか。
もちろん建物が出来上がった時の状態は非常に美しく仕上がっているはずですが、その建物を毎日利用していくと、床はもうへこみや傷だらけになっていると思います。

ロッカーというのは人が利用するもので、利用する際に鍵を落とす人が結構な割合でいますから、その際に出来たヘコミが無数に見えてくる訳です。
「床が傷つくので鍵を落とさないでください」みたいな張り紙をしたとしても、あまり解決はしないんじゃないかと思います。

そうなると建物が完成してから1年も経過しない時期に、床が傷だらけになってしまい結局は床仕上材を別のものに変えるようなことになる可能性もあるんです。
以前も書いた気がしますが、仕上材はやはり適材適所なんですよね。

○水分への対応

カーペットやタイルカーペットなどの「毛」でつくられた製品に比べると、フローリングは例えば水をこぼした時などの拭き取り性能が容易になっています。
ただしこれは表面がある程度コーティングされている製品に限り、木の素材感をそのまま表面に出しているような製品ではやはり水分にはあまり強くありません。

表面をコーティングしている製品であっても、やはり素材は木ですから、長時間水分を放置していると内部に水分が吸収されて腐敗やカビの原因となります。
なので、水などをこぼしてしまった場合には出来るだけ素早く拭き取る必要があります。

拭き取りが簡単だからという理由で、水をこぼしてしまった際に全く拭きとりしないで放置する人なんていないと思いますが…
カーペットなどに比べると少しだけ水分には強いかな、という感じです。

とは言っても、防水仕様と呼ぶことが出来るほどには強くないので、常時水分があったり湿気があったりする場所にはやっぱり不向きです。
そうした理由から、脱衣室とかはあまりお勧めできません。

○肌触り

肌触りと言っても実際に触れるのは足の裏が多くなる訳なんですけど、フローリングは基本的に「それほど暖かくない」という特徴を持っています。
木という素材が持っているの温かみ、みたいな話を先ほどはしましたが、それは鉄とかアルミなどと比べての話です。

直接触れる足の裏としては、カーペットの方が断然温かいんです。
その分カーペットには「夏はちょっと暑い」という欠点がある訳なので、やっぱり素材が持っている特徴はそのままメリットやデメリットになっているんですよね。

フローリングの表面が冷たいとは言っても、それは石とかタイルほどではないですけど、やはりフローリングは冬場に素足だとかなり冷たいです。
なので、冬場はフローリングの上にカーペットを敷くとか、あらかじめ床暖房を施工するなどの対応が必要になってくる訳です。

床暖房は輻射熱によって部屋全体が暖かくなって、他に暖房器具が必要なくなるというメリットがあるのでかなりお勧めです。
しかし施工段階かリフォームをする段階でしか床暖房の導入を検討出来ないので、もし設計段階であれば床暖房の採用もあわせて検討してみると良いかも知れません。

床暖房が現状設置されていない部屋でもしフローリングが冷たいと感じるのなら、あとはカーペットを敷くような手しか打つことは出来ません。
ただ、せっかく木の質感などの意匠性を重視してフローリングを選んだのに、その上にカーペットを敷くというのは勿体ないですよね。

それなら最初からカーペットで良いんじゃないか、という意見が絶対に出ると思うし、その方がコストを考えた際にも有利になります。
このあたりの話は建物の設計段階でしっかりと検討をしておくと、後々で建物を利用する方が快適さを感じて、なおかつコストも抑えることが出来るかも知れません。

…と、フローリングが持っている特徴についての話はこのあたりで終わりにしておきましょう。
次回はフローリングの種類について少し考えてみることにします。

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