排水溝廻りの納まり図

前回はアスファルト防水の具体的な納まり図ということで、床仕上材と防水層などの基本的な断面図を紹介してみました。
コンクリートスラブの上にアスファルト防水層、その上に断熱材と押さえコンクリートとなり、最後に床仕上材がくる。

そうした関係の例として、防水を施工する場合の床仕上材や防水層などの納まり案として、以下のような断面図を紹介しました。

アスファルト防水の納まり図

言葉で書くと分かりにくい場合でも、図面だとなんとなくイメージがしやすいですよね。
また、上図を見て頂ければ、防水を納めるためにまずは床コンクリートのレベルを下げておく必要がある、ということも納得出来ると思います。

コンクリートのレベルをどこまで下げておくかとか、断熱材の厚みをどうするかなどは条件によって色々です。
室内であれば断熱材が必要ない納まりもあるので、そこは部屋の条件にあった防水の仕様を選定していく必要があります。

とは言っても、基本的な納まりとして大きくパターンが変わるようなことはあまりなく、大体上図と似たような納まりになると思います。
あとは部屋ごとに少しずつ違う条件に合わせて調整していけば良いので、まずは基本的な納まりパターンを覚えてしまいましょう。

前回の説明では、最後に排水溝と勾配について簡単に触れました。
常時水を使う部屋には排水が必要ということで、これは防水の納まりを検討していく上でも重要な要素になってきます。

今回はそうした排水についての話をもう少し詳しく考えてみたいと思います。


■排水の考え方

常時水を使う部屋には、その水を下階に漏らさないようにするため、防水が必要になることが多いです。
そして、その部屋で使った水は決められた場所に流していく必要があるので、そのための設備が必要になります。

キッチンにある流し台にも同じような仕組みがあります。
蛇口から出る水は食器を洗ったりなどの用途で使われて、その目的を果たした後は排水口に流れていってくれます。

それと同じような考え方で、部屋全体で使った水はその目的を果たした後、ちゃんとどこかに流れていく必要があるんです。
水を流していくためには、流し台のシンクと同じように、排水口に向かって勾配を付けておく必要があります。

しかしあまりにも急な勾配をつけると、床が斜めになっている訳ですから、部屋としてはなんだか使いにくくなってしまいます。
なので、使いにくくならないようにしつつも水は流れていく、というバランスの良い勾配を設定することになります。

また、勾配をシンプルにするためには、床の水を集める為の排水溝を設けた方が有利な場合もあります。
まずは排水溝に水を集めておき、溝に入った水をさらに排水口に向かって流していく、というような考え方です。

そうした考え方を平面図で表現してみると、下図のような感じで排水溝が見えてくることになります。

水回りの平面図例

まずは床の勾配を一定にして排水溝に水を集めておき、排水溝の中にも勾配を設けて排水口である目皿から配管に接続する。
考え方としてはそんな流れになります。

床の勾配を細かく考えていくと、図面で描くよりも複雑で面倒になりがちです。
しかしこれはもう仕方がない部分ではないかと思います。
とは言っても、無駄に複雑にする必要もないので、出来るだけシンプルでなおかつきちんと流れるような勾配の設定が求められます。

部屋の形状によっては勾配の折れ線などが出る場合もありますが、特にタイルなど硬質の床仕上材で折れ線を作るのは結構大変でもあります。
そうした色々を考えていくと、先程紹介したような一定の勾配+排水溝の納まりがベストになる場合が多くなります。

ちなみに排水口として排水目皿に流す、という表現を先程しましたが、実際にはこんな感じの金物になっています。

排水目皿の詳細図

この排水目皿は恐らくどこかしらで見たことがある物体ではないかと思います。
上図で紹介した目皿はかなりシンプルな納まりで、場合によってはトラップと呼ばれる設備が必要な場合もあります。

例えば厨房などでは油がたくさん利用されるため、排水にも油が含まれることになり、それをそのまま排水をすることは出来ません。
グリースとラップと呼ばれる設備を通過させることで、油を無くした状態の水を排水することになります。

浴室であれば髪の毛が含まれた排水になるため、髪の毛を定期的に掃除出来るような形状にしたりとか。
そうした排水機構の形状は部屋によって少しずつ違ってきます。


■排水溝の標準断面

排水目皿やグリーストラップの形状はさておき、まずは水を流していく排水溝部分の標準断面図はこんな感じになります。

排水溝の一般断面図

受け枠をコンクリートから固定しておき、その受け枠に蓋を載せていくという納まりが最も一般的な納まりになっています。
排水溝自体の巾は上図では150ですが、その部屋で使われる水の量などによって巾を広くしたりの調整をします。

あまりにも広い排水溝は意匠的に良くないし、コストも掛かってしまうため、必要な条件を満たした中で、出来るだけ巾は狭い方が良いです。
ギリギリを狙いすぎて排水溝の水がなかなか捌けない状況も困りますが…

蓋の材質や形状にも色々な選択肢がありますが、最も多く採用されるのは「グレーチング」と呼ばれる格子状の蓋ではないかと思います。

ステンレスグレーチング

表面はデコボコしていて滑り止めの処理になっていて、隙間からは水が流れ込むような形状になっています。
水廻りだから材質としてはステンレスが多く採用され、場所によっては樹脂製のグレーチングが採用される場合もあります。

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