コンクリート壁+LGSにする意味

コンクリートを下地として石膏ボードを張っていく工法の中で、GL工法と比べるとUL工法はなかなか選ばれにくい気がします。
これは私の経験からくる個人的な感想ではありますが、その理由がどのあたりにあるのかを前回は考えてみました。

どうしても金額が高いという根本的な問題を解決するのは難しい、ということではないかな、という話でした。
UL工法は結構画期的な施工方法だと思うんですけど、コストの威力はやはり大きいのかも知れない…というのが私の感想です。

コンクリート面からできるだけ小さい寸法で納めたい場合はGL工法が用意されていて、その湿式工法を避けたい場合は内側にLGSを立てれば納まります。
UL工法はその良いとこ取りという感じの工法なんですけど、見方によってはそれが中途半端に感じる場合も。

そうやって考えていくと、UL工法が活躍するシーンがあまりなくなってしまうんですよね、コストの問題もあるし。
昔はGLボンドが空気中の湿気を吸ってしまい、カビが発生する可能性があるから…という意見もあったし、実際に問題になったこともあるようでした。

だから乾式工法であるUL工法を使う、という考え方です。

しかし今のGLボンドは防カビ対策がなされているので、余程極端な環境でない限りは問題ない性能になっています。
私がその性能を保証できるような立場にいる訳ではないので、事前にメーカーへの確認が必要になることは間違いないですが…

そうした要素を色々と考えていくと、UL工法という選択肢はかなり幅の狭い部分にしか当てはまらなくなっているのかも知れません。
さて、今回はコンクリート壁下地に石膏ボードを張る納まりの最後ということで、LGSを建ててしまう場合のメリットとデメリットについて考えてみます。


■壁面が出る納まり

コンクリート壁が下地として存在していて、そこに何らかの方法で石膏ボードを張っていきたいと考えた場合。
今まで紹介してきたGL工法やUL工法を採用することも出来ますが、もうひとつの考え方が「コンクリートの内側にLGSを立ててしまう」というもの。

コンクリートの壁があって、それを下地にして石膏ボードを張ることが出来るにも関わらず、新たに下地としてLGSを施工していく。
これは一見無駄が多いように感じるかも知れませんが、そうすることが必要になる場合は結構あるものです。

そうした選択肢を考えるにあたり、やはりその特徴を知っておく必要があるので、まずはそのあたりを考えてみることにしましょう。
ひとまずマイナス面について考えてみると、コンクリート+LGS下地には以下のようなデメリットがあります。


・コンクリート面から石膏ボードまでの寸法が大きい(部屋が狭くなる)


このデメリットは納まりの関係上もう仕方がないところです。
これが嫌だと思うのであれば、やはりGL工法などを検討していくしかありません。

それにプラスして、多少は余分に手間がかかってしまう、つまりコストも増になるという話もあるとは思います。
しかし石膏ボードを張る作業は同じですし、他の部分でほぼ間違いなくLGSを使用しているはずなので、そこまで大きな増にはならないはず。

やはり基本的には部屋が狭くなるというデメリットが最も大きいです。


■埋め込みが出来る

建物の中で利用出来るスペースが減るというデメリットがある一方で、コンクリート壁の近くに改めてLGSを建てる場合のメリットがどこにあるのか。
これは少し地味というか、分かりにくいメリットなんですけど、具体的には以下のような点が挙げられます。


・コンセントなどがLGS内に埋め込める

・配管スペースとして活用出来る

・コンクリート壁と縁を切ることが出来る


という感じで、室内のスペースが減ってしまう代わりに、壁の中に色々なものを埋め込んだり通したり出来る、というメリットがある訳です。
設備の配管やコンセントなどをコンクリート下地壁に埋め込みたい状況は結構あって、そうした場合にLGS壁が有効なんです。

これは少し順番が逆ですね。

もう少し正確な表現をすると…

・コンセントを埋め込みたいからコンクリート壁の前にLGSを建てて欲しい

・配管を隠したいからコンクリート壁の前にLGSを建てて欲しい


そういった要望があって、部屋を狭くしてでもそれらの要素を埋め込むことが出来るようにしておく、という順番です。

建物内に必要な配管はたくさんある

建物というのは床や壁や天井があるだけでは完全ではなく、そこにスイッチやコンセントや照明、そして水が出る為の配管や空調がないと意味がありません。
そうしないと、ただ人がウロウロすることが出来るだけで、全然快適ではない空間が出来上がってしまいます。

それでは誰も建物を使いたいとは思わないので、人が快適に過ごせるような設備を色々と仕込んでおく必要があるんです。
そうした必要なものを埋め込む為に、多少室内が狭くなったとしても、LGS壁が必要になる場合がある訳です。

これはコンクリート壁下地に石膏ボードを張っていく工法として、今まで説明してきたGL工法でもUL工法でも実現できないことです。
だからこそ、コンクリート壁の内側にあえてLGSを建てる方針も考えられる訳です。

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