全部のLGS壁を覚えるべきか

前回は片側から施工することで耐火性能を持たせることが出来るLGS壁、Sウォールを取り上げてみました。

片側だけで済むというのはかなり大きなメリットで、シャフトだけでなく色々な場面で選択肢として出てくることになるはずです。

しかし片側にしか石膏ボードを貼らなくて済む、というのは、メリットでもありデメリットでもあるんです。

LGSの中にグラスウールを仕込めない、というのがデメリットのひとつで、これは前回少し取り上げました。

ホテルの「訳あり部屋」などを見ていると、宿泊費が少し安くなる代わりにエレベータの隣の部屋、みたいな場合があります。

どうして宿泊費が安くなるのかというと、エレベータが動くときに出る音がと振動が気になるからです。

ホテル側からも「エレベータの隣はちょっと…」という認識がある訳ですから、出来ればエレベータシャフトは遮音をしておきたいところです。

それを「施工が大変」という理由で片側からしか石膏ボードを貼らないLGS壁にしても良いのか。

これが悩みどころになる場合もありますが、まあこれは建物の用途によって使い分けるしかありません。

例えば工場の廊下に面するエレベータで「遮音をしっかり」というのも、やや過剰だと思われる場合もあります。

しかしその考え方を高級ホテルで適用すると「なぜ遮音をしないのか」となる可能性が高いです。

ちょっと曖昧な気もしますけど、やはりここはケースバイケースで対処していくことになるのでしょう。

Sウォールについての話はこの辺にしておき、今回はもう少し全般的な話をしていきたいと思います。



■全部を覚える必要はない


前回までの話で、ざっくりとではありますが、LGSの耐火壁について色々と話をしてきました。

遮音性能をもった耐火壁があったり、一般的な納まりの耐火壁があったり、施工性を考えた耐火壁があったり。

建物の用途が様々であるのと同じように、LGS壁というジャンルひとつをとっても、非常に多くの種類が用意されているんです。

もちろん当サイトで全部のLGS壁について紹介することは出来ていませんけど、まあそこはあまり重要なことではないと思っています。

今私が知っている内容を全て細かく説明することは出来ますが、結局時間が経てば新製品がどんどん発表されていき、情報としては古くなってしまいます。

それを追いかけてタイムリーにフォローしていくのは難しいし、しかもそれほど意味のあることでもありません。

それよりも肝心なことがひとつ。

耐火壁には様々な性能の商品があって、建物の用途や条件によって使い分けが必要だ、ということを認識しておく。

それさえしっかりと出来ていれば、今の時点でのLGS壁のラインナップを暗記する必要なんてありません。



■「いつも同じ」の危険性


LGS壁の情報は必要な時にカタログを見れば、その時点での最新情報をすぐに取り入れることが出来ます。

だから暗記をすることにそれ程重要ではなく、もっと別の大事なポイントがある、というのは先ほど書いた通りです。

変に暗記して「自分がいつも採用するLGS壁はこれ」みたいなやり方をするのは楽で良いのですが、新しい情報が入らないという危険性があります。

新しい情報が入らないとか、入ってこないようなやり方をするとか、入ってきても興味がないとか。

そうした状況はその道のプロとして避けたいところです。

これはどんな業界にも言えることだと思いますが、ビジネスで生き残っていく為には常に変化をしていく必要があります。

「いつもと同じ」という考え方は、そうした変化とは遠い位置にある考えなので、楽だけどちょっと危ないと思います。

基本的に変化というのは疲れるものですけど「疲れない=頭を使わない」ですから、あまり良いことはないと私は思います。

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