このカテゴリではカーペットの特徴や納まりについて説明していきますが、まずは種類が似ている床仕上材として、カーペットとタイルカーペットはどこが違っているのか。
そんな話を前回は取り上げました。

その名前の通りタイル状になっているカーペットなのか、それともロール状になっているカーペットなのか。
最大の違いはその形状にありました。

施工のしやすさや部分的に交換できること、そしてOAフロア対応などを考慮すると、タイルカーペットの方が使い勝手が良いことが多いです。
床仕上げ材を施工をする際には、現場に商品を運搬してくる必要がありますが、その場合もタイルカーペットの方が手軽。

…と、さすがに後から開発された床仕上材ということで、色々な場面でタイルカーペットの方がメリットが多くなっています。
見た目はカーペットのまま、汚れた場合の対応やOAフロアでも使いたいなどの要望を考えた結果、こうした製品が出来上がったのかも知れませんね。

ただ、色々と便利なところがあるタイルカーペットですが、全ての面において通常のカーペットよりも優れている訳ではありません。
床仕上材のグレードとしては、もちろん製品や価格帯によるグレードの違いはありますが、全体的にはタイルカーペットよりもカーペットの方が高めな傾向にあるんです。

全体的にカーペットは少し高めの製品が多く、タイルカーペットには安価でスタンダードな製品が多く用意されている、という感じです。
こうした価格的な部分もトータルで考えた結果として、どうしてもタイルカーペットの方が採用されやすくなるのは仕方がないことなのかも知れません。

そのあたりも考えると、今まで採用したことがある、見たことがある床仕上材のランキングがあった場合には、きっとタイルカーペットの方が上位に来るんじゃないかと思います。
やはりタイルカーペットは安価で手軽というイメージがあって、カーペットにはどうしても重厚なイメージがあるんですよね。

ホテルで披露宴などをおこなうバンケットなど、仕上のグレードが高い部屋などではやはりカーペットが使われることが多いです。
こうした床仕上材としての高級感というのは、やっぱりタイルカーペットにはなかなか出すことが出来ないものだと思います。

その分高額になるのは仕方がないことで、その価格に見合ったグレード感を見せてくれる床仕上材と言えるでしょう。

■カーペットの種類

ここでカーペットにはどんな種類があるのかを考えてみましょう。
カーペットはその断面形状によって大きく3つに分類されていて、それぞれ少しずつ特徴も違っています。

ただ、こうしたカーペットの形状による区分というのは、正直なところ床仕上材としての納まりにはそこまで影響を与えないものでもあります。
納まりはほとんど変わらない状態で、表面の見え方が違ってくるくらいの話です。

だけど知っておいても全然損のない知識ですから、ここで軽く概要だけでも説明をしておこうと思います。
カーペットは「毛」で出来ているので、その種類の違いというのは、表面にある毛足をどう処理しているかによります。

具体的には以下のような種類に分かれます。

・カットパイル

・ループパイル

・カット&ループパイル

それぞれの種類による断面形状の違いは以下のような感じになります。

カーペットの種類

全部で三種類あるけれど、最後の1つはそれぞれを混在させているものなので、大まかな区分としては2種類の毛足があることになります。
毛足の処理方法によってカーペットの種類は分かれてくる訳です。

■それぞれの特徴

カーペットの毛足処理のひとつであるカットパイルは柔らかい感触が特徴で、ただその分だけ耐久性がやや劣るという特徴を持っています。
一般家庭カーペットを採用する場合、耐久性などを考慮して、そこまで歩行する頻度が高くない寝室などで採用することが多いタイプです。

もうひとつの毛足処理方法であるループパイルは適度に硬くてなめらかな感触が特徴で、耐久性に優れているという特徴を持っています。
そうした特徴があるため、比較的歩行量の多い廊下や玄関などであれば、ループパイルを採用する方が良いでしょう。

カット&ループパイルはその中間でお互いの長所を少しずつとっている、という感じですね。

もっと高級なカーペットの種類としては、有名なペルシャ絨毯とかパキスタン絨毯などが存在していますが…
建物をつくる際にペルシャ絨毯を採用する部屋がどこまであるかを考えると、そこまでは網羅しないくて良いかなと思います。

カーペットの種類については、簡単な説明でしたがこのあたりで終わりにして、次回はカーペットの素材による違いについて考えてみることにします。