化粧打放しコンクリートの怖さ

コンクリート下地壁納まりの中で、コンクリート面をそのまま美しく見せる「コンクリート化粧打放し仕上」は非常に特殊な存在です。
というあたりの話を前回は考えてみました。

建物を施工していく手順を考えていくと、どうしても建物の骨組みを造っていくのは工事の初期段階である必要があります
その骨組みの中にはコンクリート壁も含まれているので、工事のかなり序盤でコンクリートの壁は施工されることに。

だけど、コンクリート化粧打ち放し仕上の場合は、序盤に施工した状態がそのまま最終仕上として見えてくる訳です。
そうなると、最終的な見え方をイメージしておきつつ、工程の序盤に壁を造っていくことが求められる。

これがコンクリート化粧打放し仕上を特殊にしている要因のひとつです。

工事の序盤で検討が必要になる難しさ

もちろん、建物の骨組みを施工する段階であっても最終的な仕上を意識しないといけない、という話は化粧打放し仕上だけに言えることではありません。
最終的な仕上と骨組みの関係を検討して、コンクリートが邪魔をして仕上が納まらない、ということがないようにする。

こうした考えのもと、図面でしっかりと検討をしていく必要があるのはどんな部位でも同じではあります。
そうしないと、防水をする為に床を下げておきたかったのに、肝心の梁が下がっていないという状況になりかねません。

そういった残念な状況にならない為にも、実際に建物を造っていくかなり前の段階で図面を描いてみる必要があるんです。
そして、それこそが図面の存在意義でもあるんです。

ただ、最終的な仕上を意識して検討をしなければならない、というのは皆同じではあるんですけど…
失敗したときの影響がどの程度あるのか、という部分が結構大きく違っています。

それがどの程度違ってくるのかについてはこれから説明をします。
コンクリート化粧打放し仕上は最終的な見え方を考えつつ、工事の序盤である躯体工事の時に施工を進める必要がある。

これをまずは覚えておくと良いです。


■施工のタイミングだけではなく

コンクリート化粧打放し仕上の場合は、工事の序盤で既に最終的な仕上を施工しなければならない、という難しさがある。
これは先程も書いた通りの内容で、実際にやってみると結構大変だということを痛感するのではないかと思います。

下地の上に仕上材を施工する場合には、ある程度の施工スペースがあることだけを確認すれば、それで骨組みを施工することが出来ます。
細かい納まりはともかく、これくらいのスペースがあれば後で何とでもなる、という感覚がある訳です。

しかしコンクリート化粧打放し仕上の場合には、コンクリートを打設し終わった時に、もう最終仕上が決まっている状態です。
この違いが非常に大きい、という点がひとつあります。

しかしコンクリート化粧打放し仕上を難しくしている要素として、施工時期のタイミング以上い難しい問題がもうひとつ。
それはなにかと言うと、コンクリート打設は基本的に一発勝負だという点。

コンクリート打設があまりきれいにいかなかった、となった場合でも、もう一回やり直しをする訳にはいかないんです。
これが施工者にとってはかなり条件として厳しいんです。


■現場での一発勝負という怖さ

コンクリートの壁をつくっていく前準備について考えてみると…
まずは片側の型枠を立てておき、次に壁の鉄筋を配置していき、それが完了した段階で反対側の型枠を建てる、という手順があります。
これが前段階の作業です。

そうやって型枠が出来上がったら、その型枠にコンクリートを流しこんでいき、硬化して強度が出たら型枠を解体する。
こうしてコンクリートの壁は出来上がっていくことになります。

そんな手順で壁のコンクリートをつくる訳ですが、いざ型枠を解体してみたらコンクリートが流れこんでいない場所があったとか。
もしくは、型枠パネルに微妙な段差が出来ていて、コンクリートの仕上がり面があまり平滑になっていなかったとか。

そうしたトラブルは実際問題としてかなり多くあります。

そんなトラブルが発生した場合、その壁面をコンクリート化粧打放し仕上として綺麗に見せるのは、かなり難しいと言うしかありません。
なぜこんな「もしこうだったら」みたいなことを書くのかというと、コンクリート工事ではかなりそう言う状況が多いからです。

しかしそうしたよくある状況になった時に、後でそれを綺麗に見せる手段が少ないのが困るんです。
「化粧打放し」という言葉の通り、コンクリートを打設したままの状態で見せるのがこの仕上の最大の特徴です。

それが綺麗にいかなかった時に、上から何らかの仕上材を張るなどのフォローはなかなか出来ません。
それでは「打ち放し」とは言えないですよね。

コンクリート化粧打放し仕上を「一発勝負」と書いたのは、きれいに打設出来なかった場合のフォローが非常に困難になるからです。
このあたりがコンクリート化粧打放し仕上の難しいところではないかと思います。

化粧打放しの壁納まりで検討すべきことを考える前に、まずはこの難しさを知っておいて頂きたいです。

関連記事

  1. パネコートのイメージとは

    壁-コンクリート

    化粧打放し用のパネコート

    コンクリート化粧打放し仕上を採用しようとする場合には、まず打放し仕上が…

  2. 建物はどうしても劣化する

    壁-コンクリート

    コンクリート打放しの劣化について

    コンクリート化粧打放し仕上の特徴とか、施工する前段階で検討しておきたい…

  3. コンクリート化粧打放しの建物

    壁-コンクリート

    コンクリート下地の大まかな分類

    このカテゴリでは、いくつかある壁下地の中から、まずはRC壁(コンクリー…

  4. 型枠の転用

    壁-コンクリート

    コンクリートそのままの場合

    前回はコンクリート化粧打放し仕上について、私の個人的な考えを色々と書い…

  5. 型枠の一般的な納まり図

    壁-コンクリート

    型枠の一般的な納まりを考える

    コンクリート化粧打放し仕上の壁納まりを検討する際には、まず型枠の割付を…

  6. 化粧打放しは結構採用される割合が高い

    壁-コンクリート

    コンクリート化粧打放しのまとめ

    コンクリート化粧打放し仕上の納まりを考える際に、どうしても切り離して考…

スポンサードリンク




おすすめ記事

  1. 時間には限りがあって…
  2. フローリングの特徴を踏まえて…
  3. UL工法の概略図
  4. 順番に説明するやり方で
  5. 図面を描くには知識が必要
  6. 壁に求められる性能は様々
  7. グレーの塗床
  8. 天井裏は設備の世界
  9. コンクリート化粧打放し仕上
  10. 降雨時に雨漏りするようでは…
  1. 木下地の一例

    壁-納まりのポイント

    木下地壁の特徴とは
  2. タイルカーペットの断面

    床-納まりのポイント

    床仕上げ材の厚みを調べてみる
  3. カーペットの清掃性

    床-タイルカーペット

    タイルカーペットの用途とグレード
  4. 建物を造る仕事は楽しい

    壁-下地による区分

    壁の下地によるカテゴリ区分
  5. 天井裏まで壁があるかどうか

    壁-LGS+石膏ボード

    天井裏にも壁が必要な場合もある
PAGE TOP