外壁に求められる性能と区画壁

このカテゴリでは、建物を構成する要素のひとつである「壁」について解説していくつもりです。
そもそも壁にはどのような種類があって、どんな分類をすることが出来るのか、というあたりの話について前回は簡単に紹介をしてみました。


・外壁

・区画壁

・間仕切り壁


上記のような項目が壁の種類による分類としてはありました。
そして次に壁の材質による分類ですが、それには以下のような項目がありました。


・RC壁

・ALC壁

・押出成型板

・LGS壁

・木下地壁


ここで紹介した壁の種類と材質を組み合わせることで、その壁がどのような仕様になっているのかがある程度分かってきます。
例えば「外壁としてのRC壁」とか「区画壁としてのLGS壁」とか「間仕切り壁としての木下地壁」とか、そうした分類ですね。

ちょっと「壁」という単語が出てきすぎている気もしますけど、こうした分類で壁の仕様を区別していくことが出来るんです。
ただしこれは、当サイトが解説をしていく上でなるべく分かりやすいように、という目的でやっているもので、建築業界の公式見解という訳ではありません。

しかし壁の種類を知る為の分類としてはそれ程おかしな分け方でもないはずなので、このやり方でまずは覚えるのも良いんじゃないかと思います。
今回からは、それぞれの壁仕様について、簡単にではありますが解説をしていくことにします。

建物の外壁例


■外壁

これはもう読んだままの意味で、もうこれ以上の解説は必要ない気もしますが、外部と建物の間にある壁を外壁と呼びます。
建物を構成する要素である壁の中で、最も重要度の高い壁が外壁ではないかと思います。

重要度が高い要素である分だけ、建築の納まりを検討する際には、外壁の納まりというのは最も気を使う部分でもあります。
外壁はほぼ一番最初に検討する部分で、色々な種類が外壁にはあるので、検討する項目も様々になってくるんです。

外部と建物内部を隔てる外壁というのは、建物としての見た目が重要になってくる、という点がまずは挙げられます。
外壁の仕様によって建物がどのように見えてくるかが変わってくる訳で、その重要性はかなり大きいと言わざるを得ません。

そして見た目と同じくらいか、もしくは見た目以上に重要な要素になってくるのが、外壁としてどのような性能が求められるのか、という点です。
外壁として求められる性能には色々な種類があります。


・外部から建物の内部に水を入れない

・外気温度が高くても低くても室内の温度を適切に保つ

・外部の光を室内の取り入れる

・室内の空気を外部に排出する


簡単に考えてみた中でも上記のような性能が考えられますが、こうした項目の中で最も重要になってくる性能というのは、室内に水を入れないこと。
つまりは「止水性能」で、これが外壁に求められる最大の性能になります。

どんなにデザインに優れた外壁で、周囲の建物と比べて非常に目立つ外観であったとしても、雨の日には室内に水が漏れてくるようではせっかくのデザインも台無しです。
最初は洗練されたデザインの建物だったとしても、水が漏れる状態ではその水が原因で室内にカビが生えてきてしまいます。

そうなると壁が黒ずんで見えてきたりして、もうデザインがどうとか言えるような建物ではなくなってしまいます。
カビは健康に害を及ぼすこともあるので、見た目も悪いし体調も悪くなるという、もう建物としては有り得ない状況になってしまうんです。

どんなに最初の見た目が良かったとしても、そんな欠陥のある建物は誰も喜びません。
また、仮にもしそうした建物が出来上がってしまったら、設計者としても施工者としても良い仕事をしたことにはならないはず。

なので、まず外壁は室内側に水を通さない性能を持つことを最優先にする、ということを覚えておきましょう。
外壁の見え方とか色とかはその前提を守った後の話です。


■区画壁

外壁というのは建物の外部と室内を区分する為の壁で、まずは水を入れないという性能が求められる、という話を先程はしました。
「外壁」は建物と外部と室内を区切る壁になる訳ですけど、そうなると外壁以外の壁は全部室内の壁ということになりますよね。

そうした内部の壁は基本的に「内壁」と呼ばれます。

そして内壁の中にも色々な区分がある訳ですけど、大まかな分類として挙げられる仕様としては「区画壁」と呼ばれる壁があります。
建物の規模などによって色々と条件は決まってきますが、建物の中には、火事の際に火を遮断する性能を持った壁が必要になります。

もしくは煙を遮断する性能が必要になる場合も。
そうした性能を持った壁を「区画壁」と呼び、またそれぞれ必要な性能を満たすための材質で構成されることになります。

区画壁が必要な部分などは建物の規模や用途によって変わります。
こうした区画壁は建築基準法によって定められているものなので、設計時・施工時共に気を使わなければならない性能になってきます。

具体的な性能については後ほど説明をしますが、壁には法的に求められる性能があって、そのために色々な条件を満たす必要があることを覚えておきましょう。

関連記事

  1. ALCの外観イメージ

    壁-納まりのポイント

    ALC壁の特徴とは

    建物を構成する壁、そしてその壁を構成する材料による違いについて前回は考…

  2. 生コンの状況

    壁-納まりのポイント

    RC壁の特徴と大変なこと

    ちょっと話が長くなってしまいましたが、前回は建物を構成する壁について、…

  3. 知識の差は大きな違いを生む

    壁-納まりのポイント

    壁の種類と材料による違い

    当サイトでは建築の納まりをテーマにして色々な話をしています。読んで頂い…

  4. 既製品は定尺が決まっている

    壁-納まりのポイント

    標準サイズが決まっていると……

    ALCや押出成形セメント板など、工場で製作して現場で取り付けるタイプの…

  5. 壁の一例

    壁-納まりのポイント

    一般的な間仕切り壁と下地

    建物を構成する要素の中で、このカテゴリでは「壁」について色々と書いてい…

  6. 壁に求められる性能は様々

    壁-納まりのポイント

    壁に求められる性能とは何か

    前回の説明では、建物を構成する壁のひとつである木下地壁がどのような特徴…

スポンサードリンク




おすすめ記事

  1. 建物はどうしても劣化する
  2. 水勾配のイメージ
  3. LGS下地を建てる状況
  4. それぞれの部署で調整が必要に
  5. ALCの外観イメージ
  6. 変更にはリミットがある
  7. タイルのカタログ表示例
  8. 図面は情報伝達ツールなので…
  9. グレーの塗床
  10. シャワー室は水が高い位置まではねる
  1. 石膏ボードには幾つか厚みがある

    壁-LGS+石膏ボード

    石膏ボードの厚みと大きさ
  2. GL工法1枚張り納まり

    壁-RC+石膏ボード

    GL工法の基本納まり図
  3. 仕事出来るまでの知識を

    はじめに

    納まりの知識以外に必要なもの
  4. 音を通したくない場合もある

    壁-LGS+石膏ボード

    遮音耐火壁と一般耐火壁
  5. 断熱材のイメージ

    壁-コンクリート

    コンクリート化粧打放しで困る点
PAGE TOP