壁仕上材の特徴や納まりについて詳しく説明していくには、壁の下地ごとに分類していくのが分かりやすいのではないか。
前回はそんな説明する側の予定みたいな話を、ちょっと自分の考え方を整理するという目的で書いてみました。

床仕上材の解説をしていく際にやったように、表層の仕上材ごとに分類していくと、恐らく似たような説明が多くなってしまいます。
前回例に出したビニルクロスもそうですが、壁に塗装をする場合であっても、下地はコンクリートか石膏ボードになる可能性が高いです。

そしてこれも前回と同じで、その石膏ボードの下地にはコンクリートやLGSや木下地などが存在していて、それを場所ごとに使い分けていくことになります。
これを表層の壁仕上材ごとに説明していくと、表層がクロスとか塗装に変わっただけで、下地の構成は全く同じという説明が増えてしまいます。

それでは説明が長いだけであまり役に立たないので、もう少し別のやり方を考えた方が良いのではないか、という結論になりました。
そんな訳で、当サイトでは壁仕上材の下地ごとにカテゴリを分けて、そこにどんな仕上材が施工されるのかのパターンを含めて説明をしていこうかと。

そんなことを考えています。

ただ、壁仕上材の下地ごとにカテゴリを分けていくと言っても、建築の納まりには様々なシチュエーションがあって、その分類をどうするか…
ちょっと似たような話でしつこい感じもしますけど、今回はそのあたりについてもう少しだけ考えてみたいと思います。

■壁は何層にもなっている

壁仕上材の納まりには、表層だけではなく下地のパターンが色々あって複雑になりがち、という話をしましたが、ここではまずひとつ一般的な例を挙げてみましょう。

一般的な壁の納まりとして、コンクリート下地に石膏ボードを貼って、そこにビニルクロスを貼るパターンについて考えてみます。
これは結構一般的な納まりなので、特別に意匠的に力を入れるような部位を除くと、様々な部屋で採用されることになる納まりではないかと思います。

これは読んでいる方には全然関係ない話ですけど、私が今この文章を書いている部屋も石膏ボードの上にビニルクロス貼りになっています。
クロスの柄はとっくに見飽きていますが、毎日生活する場所であれば壁仕上材が主張してこない方が良いので、あえて普通の白いクロスを選定しています。

ビニルクロスは一般的な壁仕上材なので、納まりとしては結構多いパターンとなる訳ですが、この場合の壁下地は何になるのか、という話です。
石膏ボードの下地は当然コンクリートということになっていて、壁仕上材であるビニルクロスの下地は石膏ボードになっている…

そう考えると、この壁の下地というのはコンクリートと石膏ボードになって、二種類の下地がある壁ということになる訳です。
このあたりの話が、壁下地を分類しにくくしている大きな要因ではないかと思っています。

■まずは表層材の下地まで

同じ壁仕上材であっても、場合によっては壁下地が複数存在することになる、という話でしたが、ではどうすれば良いのか。
その正解は正直言って私にも分かりませんが、分かりませんでは話が進みません。

なので、当サイトでは大元の下地ごとに分類をしていくことにして、それぞれの納まりについて話を進めていこうかと考えています。
今回挙げた例で言えば、大元の下地というのはRC壁、要するにコンクリートの壁という事になります。

RC壁下地というカテゴリがまずはあって、そのパターンの中に石膏ボードを貼っていく納まりがあって、そこに張っていく壁仕上材には様々な選択肢がある。
そんな感じで説明していくのが一番分かりやすいかなという気がします。

具体的な説明に入る前の話がかなり長くなっていますが、まずは表層材を貼っていくための下地を作る部分までの納まり、という考え方で説明していきます。

そうした説明のやり方で進めるとなると、恐らく石膏ボードを貼るまでの納まりについての話が多くなってくるはずです。
とは言っても、石膏ボードを貼るまでの納まりにも色々なパターンがあるので、そのあたりについて説明をしていければと考えています。

石膏ボードを張った状態

石膏ボードを張るところの納まりまでを覚えてしまえば、あとはその石膏ボードをどう仕上げていくのか、というシンプルな話になるはず。
基本納まりのパターンを覚えておけば応用が利くので、まずは基本を押さえておくという感じですね。

とはいえ最終的な壁仕上材のパターンも色々あるので、石膏ボードを貼るところまで覚えればあとは簡単、という訳にもいかないんですよね。
一般的な壁仕上材の種類をここで簡単に挙げてみると、先ほども例に出したビニルクロスや塗装などがまずはあります。

ビニルクロスや塗装以外にも、タイルや石などの高級な壁仕上材や、性能的に必要なグラスウールマットなどがあり、そのパターンは色々です。
それぞれの表層材ごとに注意しておきたい項目が違ってくるので、そのあたりの話はまた壁仕上材ごとに詳しく説明をしていこうかと思っています。