床仕上げ材の厚みを調べてみる

前回は床仕上材の納まりポイントについて簡単に説明をしましたが、今回はその続きです。


・床下地はコンクリート


話が長くなってしまい、結局は上記の項目だけしか前回は説明出来なかったので、今回は以下の点についても考えてみることにしましょう。


・仕上材の厚みは材料によって様々

・床を貼った後で段差になるのはNG

・コンクリートは工程の序盤になる

・だから事前にきちんとした検討が必要


こうした理屈は、順番に考えてみるとなんとなくイメージは出来るとは思いますが…
これは納まりを検討する上でかなり重要な要素なので、しっかりと納得して理解しておいた方が後々で楽になるはず。

なので、ちょっと話が長くなってしまいますけど、最後までお付き合い頂けると助かります。


■仕上材の厚みは材料によって様々

床仕上材によって厚みがそれぞれ違ってくるという話は、以前タイルカーペットや床タイルの性質などを紹介した際に少しだけ触れました。

床仕上材ごとに材質が違ってくる訳ですから、厚みが違ってくるのはある程度仕方がないことです。
だからこそ、それぞれの床仕上材の特徴が出ることになって、場所によって床仕上材を使い分ける意味も出てくるんです。

先ほど例に出たタイルカーペットであれば、床仕上材の厚みは6mm~8mm程度です。
高級なタイルカーペットの場合はもう少し厚みがあって10mm程度になりますが、一般的な製品であれば6.5mmが多いです。

タイルカーペットの断面

次に床タイルですが、タイルの場合は材質として固いので、人が乗った時に割れてしまわないようにある程度の厚みが必要になってきます。
具体的には9mm~20mm程度の厚みが床タイルにはあって、一般的には12mm程度が多い感じです。

タイルの断面

床タイルは品番によってある程度厚みが決まってくるので、ある程度早い段階でタイルの品番まで決めておかないと、床仕上材の厚みが確定しないという問題があります。
とは言っても、床タイルは品番によって見た目が結構違ってくるため、なかなか施工段階の序盤で品番までを決めることは難しいという現実がありますが…

そのあたりは納まりを決めていく中で調整していくことになります。

そして床仕上材として一番厚みが少ないのはビニル床シートで、これも製品によって少しずつ違いますが、2mm~3mm程度になっています。

ビニル床シートの断面

1mm程度の誤差であれば納まりの検討にはあまり影響を与えないので、タイルと違って施工段階の後半に決めても特に問題はありません。


■床仕上材の厚みは統一出来ない

こうして床仕上材の厚みは製品によって色々違ってくるという話を紹介しまいたが、これは施工をする側にとっては結構困ることでもあります。
出来れば皆同じ厚みだと下地の検討が楽になるんですけど、実際はそうもいかないんですよね。

例えばの話として、無理矢理床仕上材の厚みを3mmで統一したいと思っても、現実として統一することは恐らく出来ません。
だって床タイルとか石の厚みを3mmに統一したとしたら、間違いなく人が乗った瞬間に割れてしまい床仕上材として機能しないので…

そんな床仕上材のラインナップがあったとしても、現実的ではないのできっと誰も見向きもしないと思います。
施工者側の立場で考えてみると、施工した瞬間に割れてしまうような床仕上材なんて選定したくないですから。

その逆も同じで、例えば12mmの床タイルに合わせて他の床仕上材を統一しても、やっぱりあまり良いことはありません。
12mm厚のタイルカーペットとかは製品として作ることは出来るはずですけど、かなり豪華になりすぎて価格が跳ね上がってしまいます。

コストという要素は床仕上材選定の重要な要素ですから、誰もそんな高額な仕上げ材は使わないでしょう。
だったらタイルで良いんじゃないか、という話です。

12mm厚のビニル床シートというのもかなり無理があります。
ビニル床シートは基本的にロール状になっている状態で現場に搬入されるんですけど、2mm厚の製品をロール状にするのであれば良いですけど、12mmの製品をロールにするのは恐らく大変です。

…と、あまり現実的ではない話を続けても仕方がないので、まずは床仕上材の厚さは製品と材質によって色々とあるんだ、という認識を持つしかありません。
これはそんなに難しいことではないですから。

また、床仕上材にタイルや石を選定する場合には、それぞれある製品の厚みにプラスして、施工する為に必要な寸法も考慮する必要があります。
「貼り代」という要素を検討する必要がある訳です。

塩ビシートやタイルカーペットなどは床コンクリートに直接接着剤で貼る場合がほとんどですが、タイルや石をコンクリートに直接接着剤で貼ることは出来ません。
そうなると、どのような施工をするかを検討しながら、床下地であるコンクリートのレベルを決めていく必要がある、ということになります。

と言うことで……


・材料の厚みを知ること

・どうやって施工するのかを知ること


床仕上材の納まりを検討していく際には、これらの要素をしっかりと知っておく必要がある、という話でした。
具体的な納まりの関係についてはそれぞれの項目でしっかりと解説していきます。

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