このカテゴリではビニル床タイルと呼ばれる床仕上材の特徴や納まりについて色々と紹介していこうと思います。
ビニル床タイルというのはあまり聞き慣れない名前なので、もしかしたら「Pタイル」という名前の方がピンとくる方も多いかも知れません。

Pタイルというのは「プラスチック系のタイル」という意味で、元々はタジマというメーカーが取り扱っている床材の商品名なんです。
商品名がそのまま一般的な呼び方になっていくことは結構ありますが、ビニル床タイルがPタイルと呼ばれるのもそのパターンです。

・硬質塩ビ系の床材を

・一定のサイズを定尺として

・タイル状に並べて仕上げていく

こうした製品を指して「Pタイル」と呼ぶことが多いです。

Pタイルの一例

ただしPタイルという呼び方は正式なものではない為、建築系の図面ではそこまで頻繁に登場することはありません。
もちろんその言葉で相手には通じますけど…

それでも、建築系の図面に出てこない言葉で説明をするのも良くないので、ここではPタイルではなく正式名称である「ビニル床タイル」と呼ぶことにします。
ビニル床タイルが持っている仕上材としての特徴、大まかにはどんな種類があるか、どんな納まりが一般的なのか。

そのあたりの話を順番に説明していきます。
床コンクリートの直接貼っていくという納まりの基本パターンは、前回のカテゴリで取り上げた床塩ビシートと同じような状態にはなります。

ただし床塩ビシートにはない、コンクリートスラブを下げておくようなパターンも時にはあるので、ついでに覚えておくと良いんじゃないかと思います。
今回は手始めに、ビニル床タイルの大まかな区分について簡単に説明をしてみることにします。

■手始めに考えること

ビニル床タイルには幾つかの区分があり、どんな床材を採用するかを検討する際には、その分類も考慮しておく必要があります。
実際の見た目はそれほど変わらないというか、もうほとんど変わらない状態になるんですが、スペックとしては微妙に違ってきます。

そこを詳しく知っておく必要があるのか、というのはかなり微妙な気もしています。
ただ知っているだけで利用する機会がない知識というのは、どうしてもいつの間にか忘れてしまうものですから。

それならもっと利用価値のある知識を仕入れておいた方が、効率が良いんじゃないか。
…と、そんな気もしますけど、何事も知らないよりも知っておいた方が有利だというのは事実です。

いつか忘れてしまうかも知れませんが、ここではあえてビニル床タイルの分類について説明をしてみようと思います。
私もこのあたりの知識が時々曖昧になってくるので、調度良い機会ということで自分の頭の中を整理しておこうかと。

■ビニル床タイルの区分

ビニル床タイルには幾つかの区分がありますが、大きく分けると以下のような感じになります。

・ホモジニアスビニル床タイル

・コンポジションビニル床タイル

・置敷ビニル床タイル

これらの区分はちょっと変な表現というか、長いカタカナが多い名前になっているので、なかなか覚える気力が湧きにくいですよね。
これは英語から来ているんだろうな…ということで調べてみると、単語としては以下のような意味合いになっていました。

ホモジニアス:同種、同質、均質な状態

コンポジション:構成、組み立て

この意味はなんだか分かったような分からないような、微妙なニュアンスの言葉で結局惑わされてしまいそうです。
もう少し詳しい話は次回に続きます。