床タイルの納まり-まとめ

このカテゴリでは床仕上材としてタイルが持っている特徴や納まりについて色々と説明をしてきました。
割付の話など、床仕上材だけではなく壁仕上材にも当てはまるような話もあったので結構説明が長くなってしまいました。

ビニル床シートについて説明をした際にはすんなり終わったんですけど、項目が進むごとに少しずつ話が長くなっている気がします。
もう少し簡潔でなおかつ分かりやすくまとめられるようにしたいところです。

と、そんな私の都合はさておき、床タイルについての説明は今回で終了になります。
納まりとしてはそこまで複雑にはならない床タイルですが、それでも色々と挙げていくと考えるべきことは結構ありました。

特に屋外など水掛かりの部分にタイルを採用する場合には、アスファルト防水の納まりなども絡んでくるので、さらに検討項目は増えていきます。
防水についての話は今後詳しく説明をしていきますので、今回はまずタイルの納まりをしっかりと覚えて終わりましょう。

どんなにデザインが優れている建物だったとしても、雨が降った際に雨漏りするような建物では建物失格だと私は思います。
カッコよくて難しい納め方をやろうとすると、どうしても水仕舞いで弱点が出てしまいがちなんです。

見え方を優先すると止水を妥協することになる、ということなんですよね…
そういう残念な建物を設計しないように、出来るだけ水まわりには気を使った方が良いと思います。

降雨時に雨漏りするようでは…

雨漏りした際にクレームを受けるのは設計者ではなく施工者です。
そう言った意味で、止水を犠牲にした納まりを施工者がすんなりOKとは言わないはずではありますが…

設計者であっても止水の納まりは当然知っておいた方が良いので、防水の納まりについてはもう少し後でじっくりと取り上げることにします。
今回は今まで話しをしてきた床タイルについて簡単にまとめてみます。


■床タイルの検討ポイント

今まで説明してきた床タイルの特徴や納まりで検討しておくべきポイントについて、もう一度箇条書きにしてみます。


・下地コンクリートスラブのレベル

・製品によるサイズの違い(厚さ・大きさ)

・シート貼りの有無について

・目地の巾について

・実際のサイズと目地込みのサイズ

・タイルの割付をどうするか

・水勾配があるかどうか


まずは下地のレベルを決めないとコンクリートが上手くいかないということで、タイルの厚みと施工に必要な寸法を想定する必要があります。
タイルは製品によって大きさと厚みが違うので、まずは出来るだけ早い段階で厚みを確定することが重要になってきます。

とは言っても、そんな理想的に話が進まないことも多いので、どう転んでも大丈夫なように、大きめにスラブを下げておくという選択肢を取ることも多くなるはずです。
そこは理想と現実を比べながら判断していきましょう。

平面的なタイルの割付も意匠的には重要ですが、なにが何でもタイルをキッチリと割っておく必要はないと私は思ってます。
特に厨房の床を頑張って綺麗に割ったとしても、壁際には厨房機器が隙間なく並ぶ場合がほとんどになってしまいます。

端部にカットしていないタイルが納まったとしても、誰にも見えない状態になる可能性が高いということですね。
だからと言って全く割付をしないのもダメで、「ある程度」という言葉が一番適しているような気がします。

割付には目地調整が出来るタイプの製品と、最初から全然目地調整が出来ない製品があって、場合によっては目地調整の検討が無駄になる場合もあります。
100角タイルはまず目地調整が出来ない、と思っていた方がもしかしたら無難なのかも知れません。

とにかくどんなタイルを採用するかを明確にすることが重要です。

あとは水勾配の話で、水勾配を検討していく際にはなるべく折れ線を作らないようにしていくことをおすすめします。
タイル面を折ってしまうとタイルをカットする必要が出てきます。

もちろん三角形にタイルをカットすれば納まりますけど、意匠的にそれで良いのかという問題があります。
確実に見た目は悪くなるので、タイルを使う以上は出来るだけきれいに見えるように検討をしたほうが良いです。

斜めにカットしても誰も気にしないから…というグレードの部屋や場所であれば、そもそもタイルを止めても良いんじゃないか。
そういう選択肢もあるので、納まりの検討をする際には頭に入れておくといいかも知れません。

最後にこれは個人的な見解で、少し極端な意見かも知れませんが…

建築の仕事に従事していない人は、建物を利用する際にタイルがきれいに割れているかなんて誰も気にしていないと思います。
少なくとも私の家族はタイル割なんて見ていません。

建築のプロはタイルの貼り方にも気を使っていて…みたいな話をしても、反応は非常に乏しいのが現実です。
床タイルよりも看板とかディスプレイに自然と目が行きますから、多少の半端タイルがもし入ったとしてもそこまで問題にはならないはず。

検討が悪くて納まりの見た目が良くない、という状況の言い訳には出来ないですけど…
もうミリ単位ですべてを検討してタイルを割る、みたいなことはしなくても良いのではないかと当サイトでは考えています。

ということで、床タイルについての話はこのあたりで終わりにします。

関連記事

  1. タイルサイズのイメージ

    床-タイル

    タイルサイズと目地の関係

    前回は床タイルの納まりについて検討をする際に、タイルのサイズについて考…

  2. タイル割

    床-タイル

    タイルのサイズを気にする理由

    前回はタイルの大きさと目地との関係について話をしてみました。タイルの大…

  3. タイルのイメージ

    床-タイル

    タイルの大きな分類と実用性

    今回のカテゴリで取り上げようと考えている床仕上材は「タイル」です。前回…

  4. コンクリート直張り

    床-タイル

    敷きモルタルなしで納める

    前回は床タイルの一般的な納まりと、下地であるコンクリートスラブを下げて…

  5. 水勾配のイメージ

    床-タイル

    水勾配の基本と勾配の種類

    床仕上材としてタイルが持っている耐水性という特徴から、屋外や浴室など常…

  6. エントランスホールのタイル例

    床-タイル

    床タイル納まりのポイント

    床仕上材としてタイルがどのような特徴を持っているのか、そして実際にどの…

スポンサードリンク




おすすめ記事

  1. 「好き」の対象は様々
  2. 床カーペットのイメージ
  3. 白御影石
  4. ボードに目地を入れる納まり
  5. 順番に説明するやり方で
  6. 仕事に必要な時間が多すぎて…
  7. コンクリートは解体が大変
  8. コストと性能の両方を重視して
  9. 施工段階で出来ることは限られてくる
  1. LGSのイメージ

    壁-納まりのポイント

    LGSと石膏ボードのコンビ
  2. 施工はタイミングが重要になる

    壁-LGS+石膏ボード

    LGS壁を施工するタイミング
  3. LGS下地を建てる状況

    壁-RC+石膏ボード

    コンクリート下地+石膏ボードまとめ
  4. 防水層の簡易イメージ

    床-防水納まり

    防水層の範囲と立上り
  5. セパ割の一例(900)

    壁-コンクリート

    パネコート900の納まりを考える
PAGE TOP