壁に求められる性能とは何か


前回紹介した木下地壁で、ひとまず大雑把な壁の分類とその特徴についての説明は終わりました。

細かく考えていくとまだ色々とありそうな気もしますが、最初から細かい部分ばかり考えても進みません。

まずはざっと全体的に説明をして、足りない部分を追加していくようなやり方の方が楽だと思います。

説明している私も、きっと読む方も。

木下地壁についての補足をすると、マンションやホテルなどの独立した部屋の中で、内部の間仕切りとして使われることが多いです。

例えばマンションで考えると、502号室と503号室とを区切る壁については、遮音や耐火性能を考えてRC壁やLGS壁が採用されます。

しかし502号室の中で、居間と寝室を区切る壁などは、木下地になっている場合が多い、というイメージです。

今現在これを書いているのは私の書斎ですが、書斎と寝室を区切る壁も木下地壁で出来ています。

石膏ボードを1枚しか張っていないので、文字入力をする音が寝室に丸聞こえという問題はありますが……

コストメリットはそれなりに大きかったので、今さら音がウルサイとか苦情を言うわけにもいかない状態です。

まあ言うほど困ってはいないので苦情を言うつもりもないですけど。

壁についての大まかな話はこれで終わりとなる為、今回は簡単に全体をまとめてみたいと思います。


■求められる性能を考える

壁が求められる性能というのは、壁がある場所によって様々ですが、大きく分けると以下のような性能が求められます。

・水を通さない

・火災の際に火を一定時間遮断する

・音を漏らさない

・視線を区切る

こうした性能を色々と組み合わせて、それぞれの部位で求められる性能が決まることになります。

例えば外壁であれば水を通さない性能にプラスして、外からの視線を切る為の性能が求められたり。

外壁の場合はガラスなどで室内から外が見えるように、という性能が求められる場合もあります。

また、内部の壁を考えると、例えばトイレなどでは音を漏らさない性能が必要になり、当然ですが視線を切る性能も必要になります。

後は建築基準法によって定められた壁には、一定時間以上の耐火性能が求められることになります。

基本的に階段室やエレベータなど、各階がつながっているような場所には「竪穴区画」という防火区画が必要になります。

その為、壁井は決められた時間の耐火性能が必要になり、エレベータなどでは音を遮断する性能も同時に求められたりします。

このように、建物のどこにある壁なのかによって、求められる壁の性能が色々と変わってくる訳です。

そうした性能の満たして、なおかつコストや施工的に有利な壁は何か、ということを考えていき、採用する壁を決めていく。

設計者に求められるのはそうした知識ですから、一通りの特徴と納まりを知っておく必要がある、という事になります。

この後からは個別にもう少し細かい話をしていくつもりなので、興味のある方はぜひ読み進めて頂ければと思います。

 

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