床塩ビシートの呼び方を考える

このカテゴリでは「床-床塩ビシート」という名前の通り、最も一般的な床仕上材として塩ビ系床シートの特徴と納まりを取り上げます。
最も一般的な床仕上材という表現は、私の個人的なイメージでしかありませんが…

部屋の用途には色々とあって、特にデザインを頑張らないような部屋には、大抵の場合床仕上材としてこの塩ビ系の床シートが採用されることになります。
デザインを頑張らない、という表現は別に悪口でも何でもなくて、日常使いをする部分に適した床仕上材という意味です。

この建物のこの部分にはどんな床仕上材を使っているのか、この建物はなかなかグレードが高い仕上材を使っているな、などなど。
一般の方であれば、このような感想を持ったり、細かい納まりについて気にしながら建物を利用することはほとんどないと思います。

建物をつくっていく側としては、それでは寂しいという気持ちは少しあります。
もっと自分たちがつくった建物をよく見て欲しい、という気持ちがあるから。
ですが、建物を利用する全員が床の色を気にしてもちょっと困るよな…という気持ちもあるので、普通の方はあまり床の納まりに注目しないのも理解出来ます。

これは逆に考えると、床仕上材を気にしないで建物を利用しているということはつまり、特に違和感を感じずに建物を利用しているとも言えます。
そうした違和感を感じない床仕上材の代表的な製品が、今回紹介する塩ビ系の床シートということになります。

まずは床シートの呼び方についてですが、ちょっと色々な呼び方が存在するので、最初にそこを整理しておくことにします。


■塩ビ床シートの呼び方は色々

建物の床を仕上げる材料として、塩ビ系の床シートは非常に一般的な製品ではありますが、ややこしいのが色々な呼ばれ方があることです。
私の場合も建築関連の仕事を始めた当初、塩ビ系床シートの微妙な呼び方で何か違いがあるのか、それとも同じ意味なのかが分からなかったりしました。

それと同じ話として、当サイトでで色々な説明をする際に、様々な呼び方が混在すると分かりにくくなってしまいます。
結局正式名称はなんなのか、という気持ちになるはずなので、等サイトで説明をする際には表現を統一しておこうと思っています。

まずはどんな呼び方があるのか、例を挙げてみるとこんな感じの呼び方があります。

・ビニル床シート

・長尺シート

・長尺塩ビシート

・床塩ビシート

・塩ビシート

パッと思いつく限りに挙げていっても、上記のように色々な表現が使われていて、あまり知識がない時には結構混乱しました。
人によってどの呼び方をするのかが違うし、時には同じ人でも場合によって違う呼び方をするのでさらに混乱します。

結局同じものを指しているので、呼ぶ側もそこまで表現を統一しようと思っていない、というのが今は分かるのですが…
当時はかなり困った記憶があります。

まあそう言う私も今は同じで、その場その場で思いついた呼び方をしている気がするので、もしかしたら相手を混乱させている可能性もあります。
ただし納まりを解説する当サイトとしては、その場で思いついた表現をするのは相手を混乱させることが分かっているので、表現は統一した方が良いと考えています。


■統一した表現方法

実際に塩ビ系床シートの呼び方は色々あるんですけど、要するに塩ビ系の床仕上材で長尺ものですよ、ということです。
「塩ビ」とか「床」とか「シート」という言葉の順序が変わっただけ、みたいな表現が結構多いです。

ただ、個人的な感想としては「長尺シート」という表現が結構紛らわしい気がしています。
これだけなぜが材質である「塩ビ」という言葉が入っていないので、それが分かりにくい要因になっているのでしょうか。

なぜ長尺シートなのかというと、大抵が1820mm巾でロール状になっていて、長さは18m程度と長いからです。
長尺シートと呼ばれる所以はこんな感じだから。

床材がロールになっている状態

こうした姿が長尺シートと呼ばれる要因なんですけど、当サイトでは「床塩ビシート」という表現で統一しようと思っています。

まあどんな表現でも良いんですけど、とにかく表現を統一することが大事なので、ひとまず「床塩ビシート」で進めて行くことにします。

関連記事

  1. セルフレベリング材

    床-床塩ビシート

    セルフレベリング材も検討する

    床塩ビシートを実際に施工する際に、下地としてコンクリートスラブのレベル…

  2. ユニットバスのイメージ

    床-床塩ビシート

    床塩ビシートの基本納まり

    前回は、床塩ビシートが床仕上材としてどのような特徴を持っているのか、と…

  3. 床塩ビシートのジョイント例

    床-床塩ビシート

    床塩ビシートのジョイント納まり

    床塩ビシートを施工する際には、床下地としてコンクリートがまずは施工され…

  4. 床仕上材はそれぞれ適材適所を考える

    床-床塩ビシート

    床塩ビシートの特徴

    床仕上材として最も一般的な床塩ビシートについて、前回はまず呼び方をどう…

  5. FL=con天の場合

    床-床塩ビシート

    施工の都合も少し考えてみる

    床塩ビシートの基本的な納まり断面図が具体的にどのような関係になっている…

  6. 二重床の場合の床塩ビシート納まり

    床-床塩ビシート

    床塩ビシートの基本断面図

    前回は床塩ビシートの基本納まりがどのようなパターンになるのか、というあ…

スポンサードリンク




おすすめ記事

  1. 型枠の転用
  2. タイルサイズのイメージ
  3. 床は滑りにくさも重要
  4. 分類が新しくなった
  5. ウール
  6. 二重床の場合の床塩ビシート納まり
  7. 施工はタイミングが重要になる
  8. スイッチのイメージ
  9. 型枠のジョイントライン
  10. タイルカーペットの市松貼り
  1. 変更にはリミットがある

    設計変更が与える影響

    設計変更が可能なリミットとは
  2. 化粧打放しは結構採用される割合が高い

    壁-コンクリート

    コンクリート化粧打放しのまとめ
  3. 排水溝の平面図例(改善)

    床-防水納まり

    水勾配の難しい部分について
  4. 建物の外壁例

    壁-納まりのポイント

    外壁に求められる性能と区画壁
  5. タイルのイメージ

    床-タイル

    タイルの大きな分類と実用性
PAGE TOP