このカテゴリでは床仕上材としてタイルカーペットを取り上げてきましたが、おまけ的な話として、私が自宅のリフォームをした際の話を前回はしてみました。

コストなど全体のバランスを考えた際に、寝室や書斎や子供部屋の床仕上材はフローリングではなくタイルカーペットを採用して…
というあたりで前回は終わったので、今回はその続きから。

自宅のプランを自分で自由に考えることが出来るというのは、建築関連の仕事にしている方にとっては夢というか、もう本当に楽しいものではないかと思います。
私は今の仕事を始めた時に、いずれ自宅の図面を自分で描きたいと思っていたので、色々な条件が揃ってようやく実現したことなんですよね。

設計者であり施主でもあるという立場は、もちろん「楽しい」という言葉だけで括ることなんて出来ません。
当然というべきか、お金で悩んだりうまく意見を調整出来なかったりしてつらい場合も結構ありますけど、それでもやっぱり全体としては楽しいことだった思っています。

自分が建築関連の仕事をしているのに、自宅のプランを他の人に任せることなんて出来ませんよね。
それならば批判を受ける可能性もあるけれど、自分でやった方が良いです。
今回は続きということで、フローリングをタイルカーペットに変えたあたりの話から再開します。

■フローリングとの比較

自宅のリフォーム工事で床仕上材に少し悩んだ訳ですけど、結局はコストなどを考慮してタイルカーペットにして良かった、という話は前回もした通りです。
もちろんフローリングも温かみのある優れた床仕上材だとは思いますが、どうしても長年使っていると傷が付いてしまうものなんです。

そのあたりを考えるとタイルカーペットは気軽で良いですね。
工事が終わってから10年以上が経過していますが、やっぱりリビングのフローリングにはどうしても傷が付いてしまいます。

これはもう床仕上材の性質として仕方がないことではあります。
…けど、炊飯器の内釜とかを落としてフローリングにべっこりと傷が付いてしまうと、そこはやっぱり悲しい状態になってしまいます。

材料が本物の木である以上、重量があるものや先端が尖ったものをぶつければ凹みますし、傷が残るのは当然のことです。
出来るだけ硬質で傷が付きにくい材料を選んだんですけど、それでもやっぱり木ですから、傷がつかないようには出来ません。

高めのコストをかけて数年後には傷が結構ついている、という状況を考えると、全部手軽なタイルカーペットという選択肢もアリだったかも知れません。
ただしキッチンにタイルカーペットはあまり良い組み合わせとは思えないので、さすがにタイルカーペットという選択はないですよね。

今思っているのは、木目調のビニル床タイルでも良かったかも知れないな、ということです。
そうすれば傷などはそこまで気にならなかったし、コストも抑えることが出来たし、見た目もそこまで劣ることはなかったかな、と。

もちろん本物の木ではないからこそ傷も気にならない、という事実があるので、出来上がった時には「やっぱり本物が良かった」と思ったかも知れません。
このあたりの話は今度自宅をリフォームをする際に、今回の経験を踏まえてどうするかを考えるしかないですよね。

■自宅だと攻められない

ちなみにタイルカーペットは部屋ごとに色と柄を変えましたが、自宅の仕上材だと思うとかなり無難なセレクトになるものなんだな、とも思いました。
これは実際に経験してみてはじめて分かるというか、かなり意外な事実でした。

最初は色々な柄とかを選択肢に入れてどうしようか考えていたんですけど、結局選定したのは全然普通の濃いグレーとかブルーとかの単色でした。
そして貼り方も市松貼りで全然普通。
赤いカーペットなんて絶対に採用出来ませんでした…

目立つ色を選ぶのは勇気がいる

東リのカタログとかを見ると色々な柄と色を組み合わせたりしていますけど、なかなかそうした攻めた選択が自宅では出来ませんでした。
毎日見る床の色とか柄とかは、すぐに見飽きてしまうような、色を確認するのも忘れるくらいのモノが良いのかも知れない…

ということを自宅のリフォームでは勉強しました。

また、リフォーム工事が完了した時には、余ったタイルカーペットを汚した時の交換用として貰うことになります。
私はリフォームのプロという訳ではないので、全てのケースを確認している訳ではありませんけど、恐らく備品ということで引き渡しの一覧に入るのでしょう。

自宅ではなく公共の建物をつくる際にも同じようなことをやるので、きっと予備のタイルカーペットはもらえるのだと思います。

タイルカーペットは1ケースに20枚入っているので、1ケース単位で購入していくしかない訳ですけど、最後はどうしても余るんですよね。
楽天などでタイルカーペットを探すと、1枚から販売してくれる店が結構ありますけど、足りなかった時に時間と送料が無駄になります。

そんなギリギリを狙うのは危ないですから、1ケース単位でやや多めに注文をしておく訳です。
まあ私が床仕上の面積を拾って注文をする訳じゃないですけど、きっとそうして出来るだけ無駄がないように施工者側が注文をしているはずです。

そんな訳で、自宅のクローゼットの奥深くには、取り替え用ということで貰ったタイルカーペットが今でも眠っています。
ただしこれが結構かさばるので、クローゼットの容量を圧迫して困るんですよね。

ジュースとかカップラーメンなどをこぼして交換をするとか、そういう機会ってありそうな気がするけど意外にないものです。
だからずっと交換用のタイルカーペットは余ったままの状態になるしかない…

かと言って捨てるわけにも行かないですし。
色によっては10枚近く余っているんですけど、一生かかっても全部使うことはないんじゃないか、という気がしてなりません。

さて、こうした余談はこのあたりにしておき、タイルカーペットについての話はここで終わります。
納まりとしてはそこまで難しくはないはずなので、自分の知識にしておくと仕事がスムーズに流れていきます。